持続可能な水産物販売へ、イオンがMSC認証にこだわる訳とは?

 

2017.08.15

イオンスタイル板橋前野町にて、世界初「MSC認証 子持ちししゃも」と、日本初「MSC認証 びんちょうまぐろ」のお披露目会を実施した。このMSC認証は『魚の住んでいる場所の環境や、海産物自体の持続性』を認められた海産物にのみ認証される国際認定だ。本認証は、漁業関係者だけでなく、購入者や流通に関連する人々が、地球規模の水産資源の減少に問題意識を持つキッカケとして注目される。継続的な海洋環境の保全は、世界的な議題として度々あがることがあり、本取り組みは、社会的・経済的両面において先進的であるとも言える。

今回の発表会ではイオンの、地球規模の水産資源の減少に問題意識を持ちつつ、持続的に商品を提供していくという取り組みについて発表された。

厳しい審査によって認められるMSC認証

魚は人間生活には欠かすことができない食料。だが、人間の都合だけで乱獲し消費していっては、自然界の繁殖のスピードを上回り、その結果、生態系を崩してしまう。最終的には、絶滅へと繋がってしまう。そういった事態を避けるために、国や地域で一定の漁業期間や漁獲量を設定するという動きがでてきた。その動きと同じくして、世界的な認定として「MSC認証」が注目を浴びつつある。 このMSC認証の取得は、単に漁業を営む人だけが審査対象となるわけではない。魚に関わる流通業者や加工業者までもが審査対象になり、その理念に基づいた取り組みがされているか厳しくチェックされるのだ。厳しい審査に基づき認定される本マーク。MSC認証のマークやシールが付いた商品というのは、消費者に対して「海洋資源や海洋環境に配慮した商品であり、安心して食べられる」という信頼のマークとなっている。

日本において先進的な取り組みであるMSC認証

発売に際して実施された「トップバリュMSC認証商品ダブル発売 お披露目会」。厳正な認証を担当する、海洋管理協議会(MSC)アジア太平洋地域ディレクター パトリック・カレオ氏に話を伺った。 パトリック・カレオ氏「昨今、サステナブル(持続可能であること)という言葉は非常に注目を浴びています。しかし、うたう事は簡単なことだが、それを証明することはとても困難なことです。その中でも、このMSC認証を取得するということは消費者を巻き込んでの社会的な取り組みに対する活動といえるでしょう。海洋業に関わる人にとっても、魚が獲れる場所が無くなってしまうと仕事が成り立たなくなってしまいます。イオンは、こうした先進的な認証に早くから着目し積極的に取り入れており、リーダーシップを取っている存在ともいえると思います。」 業界に先立って、2006年からMSCの取り扱いを始めたイオングループ。率先して認証製品を取り扱う事は、販売業として非常に価値のある行為と言えるだろう。

身も卵もたっぷりだから「MSC認証」の子持ちししゃもは食べごたえ抜群

併せて、当日は日本大学食品ビジネス学科の生徒が考案した『子持ちししゃもを使ったオリジナル料理』が公開された。 一つ目の料理は、「ししゃもとあさりの和風パエリア」。子持ちししゃものコクが米と混ざり、一味違う美味しさを堪能できる。もう一品は、「揚げ焼ししゃものサルサオープンサンド」。夏バテで食が細る時期に、スパイスで食欲を刺激してくれそうな料理だった。

イオングループが挑戦する持続可能な社会への貢献

先進的かつ社会的意義への取り組みとしてMSC認証を取得した魚の販売を強化しているイオン。今回の商品発売に至った経緯などをイオンリテール株式会社水産商品部長 松本 金蔵氏に話を伺った。 松本氏「グループとして2006年からMSC認証商品の展開に力をいれてきた点をぜひ皆さまに知って頂きたいという事から今回の発表会を設けさせて頂きました。MSC認証は、現在では20魚種40品目で取得しています。世界的にも価値のあるこだわりを続けてきた姿勢、それを改めて知って頂ければと思います。」

松本氏「今回2つの魚が認証を受け、イオンは世界で初めて発売を開始しました。MSC認証商品を積極的に販売していく取り組みは、今後もイオングループ全体で力を入れて行っていく予定です。イオンの『サステナブル商品』=『トップバリュ』という認識を持って頂き、今後も品質・安全性、そして社会的持続性を担保する商品であることをお約束しています。」

松本氏「トップバリュの商品は、かなりリーズナブルなお値段で提供していく事を目標としており、MSC認証取得商品は、気候の影響などですぐに値上がったりするのではないかという懸念もありました。ですが、独自のルートから漁獲量などを正確に把握することができるのと、極力商品価格を上げない企業努力により、販売に至りました。 全国規模のプロジェクトなので、魚の獲れる時期との兼ね合いを読みながら一定量をタイトな時間で集めなければいけないということもありましたが、過去の経験などを生かして、皆様のお手元に行き届くだけの数をご用意できました。 今回はMSC認証の発表会になりますが、こうした持続可能な社会の実現にリーダーシップを発揮する企業を日々目指しています。その為、魚売り場だけでなく、各セクションも色々と奮闘しています。例えば、木材や林業に関するFSC認証、農業であればグローバルキャップ認証など、各分野でその理念のもとに企画や、商品開発が行われています。水産物に関しては40品目の認証を受けていますが、今後は取り扱っている商品全てが認証を取れることを目指して活動していきたいと考えています。」 イオングループの挑戦する、持続可能な社会への貢献。こうした社会貢献も見据えた商品を取り扱うという活動は、ある意味で日本企業の模範的な動きとも言えるのではないだろうか。イオングループが牽引し、日本全体にこの活動が広がる事で、長期的に社会は良くなっていくはずだ。

イオンリテール株式会社

商号 イオンリテール株式会社 発足日 2008年8月21日発足 本社所在地 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目5番地1 代表者 代表取締役社長 岡崎 双一 資本金 489億7,000万円 事業内容 総合小売業 店舗数 402店舗(2017年2月末現在) 従業員数 85,492人(2017年2月末現在)