日本発ブランド価値ランキング発表 グローバル部門1位は10年連続で「TOYOTA」
産業の新陳代謝進まない日本の社会、経済構造も浮き彫りに

提供元:インターブランドジャパン

2018.03.29

2月14日、東京証券取引所で日本最大のブランディグ会社、インターブランドジャパン(東京都渋谷区)が日本発ブランドの価値をランキングした「Best Japan Brands2018※」の記者発表会を行った。

 ランキングには海外での売上高比率が30%を超える日本のグローバルブランドを対象にした「Japan’s Best Global Brands TOP40」(以下「JBGB2018」)と、海外の売上高比率が30%未満の国内ブランドを対象にした「Japan’s Best Domestic Brands TOP40」(以下JBDB2018)の2部門があり、それぞれの上位40ブランドが発表された。2009年より毎年発表されているもので、今年はランキングが発表されてからちょうど10年目という節目の年になる。

 

発表会では最初に同社によるブランドの価値評価について簡単な説明が行われた。それによると、ブランドによってどれぐらい儲かるかという「財務分析」。ブランドによってどの程度将来利益に役立つかという「役割分析」。ブランドによる将来利益の確実性を測る「強度分析」の3要素を独自の評価方法で分析・評価し、金額換算して行うという。これはブランド価値を計る世界基準の指標として、国際標準化機構(ISO)からISO10668の認定を受けているという。

 

「Best Japan Brands2018※」で評価の対象となるのは下記の基準を満たしたブランドである。

◎日本の企業によって生み出されたコーポレートおよび事業ブランドであること。
◎2017年10月31日時点で上場し,アナリストによる業績予測が入手可能な企業。
◎2016年度実績でブランドを冠する事業の海外売上高比率が30%以上であること(「Japan’s Best Domestic Brands」では30%未満)
◎グローバルで一般に認知されていること

その後、同社の代表取締役社長 兼 CEOである並木将仁氏が登壇し、ランキングの発表、及びその分析が行われた。 JBGB2018で1位に輝いたのは「TOYOTA」。数値上は昨年度を下回る評価となっているが、10年連続の首位ということになる。「「HONDA」「NISSAN」「SUBARU」も10位以内にランクインしており、昨年度に引き続いて自動車関連ブランドがグローバル市場において日本のブランド全体を牽引していることが伺える」と並木氏。なかでもSUBARUはブランド価値成長率でも2位となっており勢いがある。

 

 

同社は今後のグローバルな展開を見据え、社名を富士重工から海外での知名度の高いブランド名「SUBARU」に変更したことや、先進運転支援システム「アイサイト」によってブランドの価値の訴求が着実に行われていると評価された。 会場の記者より「昨年、SUBARUは無資格の従業員が車両の完成検査を行っていたという不祥事が発覚したがその影響はなかったのか?」と質問があったが、その後の堅実な対応などから、グローバルにおけるブランドイメージにはそれほど大きな影響はなかったと判断したという。

JBGB2018 ベスト20企業

その他に目立つところではもっとも大きなブランド価値成長率を見せた「Nintendo」。これは昨年発売された「ニンテンドースイッチ」が国内だけではなく、グローバル市場においても好調であることに加え、「ゼルダの伝説」や「マリオカート」といった独自のコンテンツによってNintendoブランド全体の評価に繋がっていると判断されたからだ。
また、昨年度までJBDBの上位にランキングされていた「SMFG」と「Mizuho」の銀行2ブランドがグローバルブランドとしての基準を満たしたことから、今年はそれぞれ12位と14位に初めてランクインしている。その他で価値成長率の高い「YAMAHA」(成長率3位)「Kubota」(成長率4位)「AJINOMOTO」(成長率5位)の3社は、いずれもブランドの価値向上が事業や経営において重要なものであると年間経営計画や中期経営計画、CEOのメッセージによって明確に打ち出している。
「こうした点からグローバルに展開しているブランドほど、ブランドの構築にしっかりと投資を行い、その価値を上げていることが見て取れる」と並木氏は分析する。

 

JBGB2018 TOP 5 Growing Brands(昨年比ブランド価値成長率Top 5)
1. Nintendo( 10位   前年比+21%)
2. SUBARU(   9位 前年比+12%)
3. YAMAHA(27位   前年比+11%)
4. Kubota     (38位   前年比+10%)
5. Ajinomoto(34位   前年比+10%)
続いて発表されたJBDB2018では8年連続で「docomo」が1位となり、「Soft Bank」、「au」といった通信大手が上位を独占した。並木氏によれば「昨年度上位だった「SMFG」と「Mizuho」がJBGBに移行したことは国内ブランドのグローバル化が加速していることを示唆している」という。上位2ブランドが抜けたことで「ZOZOTOWN」、「MS&AD」、「Asahi」の3ブランドが新たにランクインした。

JBDB2018 ベスト20企業

※海外売上高比率は30%超だが、各ブランド(SoftBank,、Recruit、Suntory、Kao、Kirin)を冠する事業での売上高が30%に満たないと判断され

 るため、本ランキングの対象となる。
※Suntoryのブランド価値および海外売上高比率は、上場しているサントリー食品インターナショナルの数値をベースに評価。
※Japan Airlinesの海外売上高は国際線と海外売上の合計となっており、実質的に国外で発生した売上高は公表されていないため、本ランキングの

 対象となる。

 

前年比でブランド価値成長率がもっとも大きかったのは化粧品の製造販売を行う「KOSE」だ。中期経営計画の基本戦略において「世界に通用するブランドの育成」を掲げており、それを着実に実行している姿勢が評価されたものだ。さらにAIスピーカー市場への参入など、将来への積極的な取り組みが評価された「LINE」。都市部への店舗展開によって若者や訪日外国人観光客への知名度向上を果たした『ニトリ』が続いている。
JDGB2018 TOP 5 Growing Brands(昨年比ブランド価値成長率Top 5)
1.KOSE(16位 前年比+20%)
2.LINE(15位 前年比+18%)
3.ニトリ(37位 前年比+17%)
4.マツモトキヨシ(34位 前年比+14%)
5.Asahi(9位 前年比+11%)
初めてJapan’s Best Global Brands TOP40が発表された2009年から10年という月日が流れたが、その間の日本ブランドの変遷についてインターブランドジャパンは下記のように総括した。

 

「JBGB2009とJBGB2019のTOP30に入ったブランドの価値金額を合計して比較すると約40%もの成長をしている。その間、「UNIQLO」や「Yakult」といった有力な国内ブランドがグローバルランキングに移行していることなどからも日本ブランド全体のグローバル化が加速している。
一方、国内主要ブランドがグローバルブランド入りしたため単純比較はできないものの、同様の比較をJBDBで行うと10年間ほとんど伸長が見られず、上位はいまだ自動車やエレクトロニクスという日本の伝統的な主要産業が占めている。これはそれに変わる新しいブランドの創出や、産業の新陳代謝が進まない日本の社会や経済構造の現状を表しているといえるのではないか。

株式会社インターブランドジャパン

代表者:並木 将仁

設立:1974年

URL: https://www.interbrandjapan.com/ja/index.html/

住所:東京都渋谷区広尾5丁目6番6号 広尾プラザ9階

概要:クラウド人材管理ツール「カオナビ」の製造・販売・サポート