新しいメークに挑戦したくなる。ターゲットインサイトから設計したマキアージュのプロモーション術。

提供元:株式会社資生堂

2016.12.15

“さりげなく色っぽい美しさ”を提案するメーキャップブランド「マキアージュ」の2016年春シーズンのテーマは、効かせ色を1色入れるだけでグッと色っぽくなれる “レディモードスパイス”。ハードルが高いといわれるカラーメークをテーマに選びながらも、多くの女性の支持を集めることに成功。そのプロモーションの秘策をブランドマネージャーの古賀悠さんに伺いました。

資生堂ジャパン マーケティング部 マキアージュ ブランドマネージャー 古賀 悠さん

メークで簡単に変われる! その楽しさを伝えたかった。

日常的にメーキャップをしている女性の多くが、“挑戦してみたいけれど、難しそうでなかなか手が伸びない”と感じているのがカラーメーク。

「春だからこそ、ちょっとメークも変化させたいと思っているのに、なかなかいつものメークから変えられない。そんな女性たちにもっと気軽に楽しく新しい色を取り入れてもらいたい、と思って始めたプロモーションが、2016年春シーズンのテーマである『レディモードスパイス』でした」

プロモーションを考えるときには、ターゲットの意識とメーキャップのトレンドを考慮して組み立てていく。

「マキアージュのターゲットは比較的メークに意欲的な方たち。みなさん、“ちょっと冒険したい”と思っているんですが、それでも、カラーメークに対して、“おしゃれな子は最近取り入れているけれど、テクニックが必要な気がするし、私には似合わないかも・・・”と手を伸ばしづらく感じる方が多くいらっしゃいました。そこで今回は、一歩、女性に踏み出していただくために、ブルーをはじめとする心躍る鮮やかなカラーを“効かせ色=スパイス”として使う『レディモードスパイス』を提案したんです。すべてを鮮やかなカラーメーキャップに変えるのではなく、効かせ色を1色加えるだけで“こんなに簡単にイメージを変えられた!”と、遊び心のある表情に仕上げられるということが、プロモーションにおける一番のテーマでした」

オフィスマキアージュで使用したメーキャップBOX

“似合うのかな?”という女性の不安を解消する、プロモーション術。

とはいえ、普段は使わないカラーメーキャップを取り入れることへのハードルは高いもの。そこで、“私に似合うのかな…”というユーザーの不安を取り除き、トライしてみたいという女性のトリガーを引いてあげるプロモーション方法を導き出した。

「“みんな挑戦しているからあなたもトライしてみませんか?”ということを訴求するためにインスタグラマーの方に協力していただいたり、自分の写真をアップしてスパイスメークを疑似体験できるようなアプリとタイアップさせていただいたりしました。さらに、ターゲットの方がアイテムを実体験できる方法として取り入れたのが、“オフィスマキアージュ”でした」

これは『レディモードスパイス』をテーマにした新色・新商品と、そのほかのメークアイテムをメークボックスに入れて、応募をもらった企業のなかから抽選で10社のオフィスにお届けし、働いている女性たちに試していただくというもの。

「昨年、ほかのアイテムをアピールする際に同じ取り組みをしたときに評判がよかったので、今回も導入してみたんです」

メーキャップの楽しさを実感できる“オフィスマキアージュ”は大成功。

普段はひとりですることが多いメークのお試しを、ほかの人と一緒にできることが“オフィスマキアージュ”の第一の特徴といえる。しかも、それこそが、多くの女性が新しいメークに挑戦するときに感じやすい“似合っているのかな?”という不安を解消できるポイントでもあった。 「女性がメークを試すとき、ほとんどの場合がひとりなんです。でも、ほかの誰かが一緒にいると、第三者の意見を聞けますよね。それが、普段から一緒に過ごす時間が多いオフィスの人が相手だと、より素直に意見を言い合えると思うんです。これまでとは違うメークアイテムに挑戦をして“似合う”と言われると安心できるし、メーキャップをした自分を褒めてもらうことも、メークの楽しさのひとつ。その2つを体験してもらうことが“オフィスマキアージュ”のポイントです」

“オフィスマキアージュ”に参加したい企業を募集したところ、予想以上の応募をいただいたという。

「告知はPRのみで行ったのですが、女性をターゲットにした日経MJのウェブサイトでは、サービスのユニークさを共感いただき、情報が掲載されました。結果、女性が多く働いている企業はもちろん、“こんな会社さんまで!”と驚くような企業にも応募いただきました。新しい取り組みを行いたいと思っている企業が多いということのあらわれなのかもしれません。実際に体験していただいたオフィスに伺って取材をした者もいるのですが、みなさん盛り上がってくださり、いい反応をいただきました。こちらが想像する以上に、女性同士が“似合う、似合わない”とアドバイスをし合っていたのが印象的でしたね。いつもとは違う自分を楽しんでいらっしゃる方も多かったようで、それは、こちらの意図したとおりでよかったなと。リアルな言葉や表情が見えることで、いつもとは違うフィードバックをいただきました」

本来の目的であった、カラーメークへのハードルも下がったそう。

「具体的にニュースとして取り上げていただいたことも大きいのですが、メーカー側からの発信だけでなく、使っていただいたお客様や第三者の方の声を発信することができて、“オフィスマキアージュ”を行った甲斐があったと実感しています。正直に言うと、少しハードルが高いかなと思っていた商品でしたが、いちばん人気はブルーでしたし、みなさんの思っている“カラーメーク=難しい”というイメージを、少しは払拭できたのかなと思っています。また、プロモーションの力はもちろんですが、マキアージュの場合、鮮やかな“効かせ色”でも、光の反射を利用して、透明感を持たせる工夫で、うまく肌に馴染むような構造になっているんですね。“使いたい色が似合う色になる”という、メーキャップをする女性の要望を叶えるマキアージュの技術を体感いただいたことも、カラーメークのイメージを変える一因になったのかもしれません」

ものではなく夢を売ることが、メーキャップのいいところ。

マキアージュの広告は、女性が“こうなりたい!”と憧れる、求心力のあるものばかり。

「お客様が“素敵”と感じるだけでなく、“自分でもなれそう!”と思っていただけるように、表現や言葉には注力をしていますね。メーキャップは身だしなみではなく、ワクワクする気持ちを楽しんでもらうもの。気持ちも含めてハッピーになっていただきたいですから、少しでも“マキアージュでメークをしたら、もっといい自分になれる”と感じてもらえたら嬉しいと思っています」

使った人の反応を感じられるプロモーション方法は、これからも模索していきたいという。

「一方通行ではなく、お客様の生の声や反応が返ってくるのがSNSの特徴だと思っています。なかには“マキアージュを使うとこういう気持ちになりました”ということまで伝えてくださる方もいらっしゃる。そういうお声を聞けるアプローチは、これからも続けていきたいですね」

そんな古賀さん自身も、マキアージュの試作品ができあがると、すぐに試すのだそう。

「普通のオフィスだとありえないと思うのですが、みんな、デスクでいろいろなアイテムを試しているんです。ことあるごとにメーキャップをして、“これはどうかな?”と意見を言い合ってますね。楽しいですよ」

それはまさに、“オフィスマキアージュ”状態。メーキャップを楽しむ気持ちを知っている人たちが、その楽しさを伝えたいという気持ちをもってマーケティングを手がけていることも、ターゲットの心に届くプロモーション術を展開できるポイントなのかもしれない。

文:重信 綾   写真:林 孝典

株式会社資生堂

代表者: 魚谷 雅彦
設立: 1872年
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概要: 製造業