オーラルケアに革新を起こし、 世界中に笑顔を増やしたい

株式会社シャリオン

代表取締役 / 角田 哲平

オーラルケア業界のイノベーター・角田哲平。柔軟な発想で独自のオーラルケア商品やビジネスモデルを開発し、新たな市場を切り拓いた。2015年に同氏が設立したシャリオンは急成長を遂げ、海外展開も進めている。その理由は何なのか? リーダーの足跡をたどりながら、躍進の秘密を探る。

PROFILE

代表プロフィール

1984年、福岡県生まれ。2007年に九州産業大学経営学部を卒業後、株式会社渡辺藤吉本店に入社。建設資材などを扱う商社の営業職として活躍。2011年に上京し、株式会社ビジョンに入社。通信機器サービスなどを販売し、瞬く間に部内トップの営業成績をあげる。2015年に株式会社シャリオンを設立し、代表取締役に就任。新世代として注目されているオーラルケア商品の製造・開発・販売などを行う。国内の加盟店は4,500店を超え、海外展開も進めている。

営業力を磨き、起業のチャンスを探す

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―角田さんは30歳の若さで会社を設立しています。もともと起業をめざしていたのですか?

そうですね。子どものころから、何に対しても積極的でリーダー志向でした。地元・福岡の大学へ進学した頃には「いずれ自分の会社をつくりたい」と考えていました。卒業後は営業力を身につけるために、建築関係の商社に就職。すると、すぐ好成績をあげられたんですよ。「自分ならなんでも売れるんじゃないか」なんて、当時は調子に乗っていましたね。

―営業が得意だったんですね。

体育会系の世界で育ったせいかもしれません。小学生でサッカーを始めて、高校時代は空手道場にも通うように。地域の消防団や博多祇園山笠(櫛田神社祇園例大祭)にも、小さい頃から参加していました。そんな環境で先輩たちに礼儀作法を叩きこまれ、コミュニケーション能力が磨かれたのでしょう。

転機が訪れたのは入社4年目。このままでいいのか悩んでいたころ、東京に本社をおく情報通信系の企業から、お声をかけていただきまして「東京で実力を試してはどうですか」と。地元への想いはありましたが、勝負するなら上京すべき。思い切って転職しました。売るものは通信関係やWEB商材やインフラ関係などに変わりましたが、短期間でトップセールスを記録しましたね。

―その後、起業に至った経緯を聞かせてください。

いつもアンテナを立てて、ビジネスの種を探していました。なかでも歯には人一倍気をつかってきたので、オーラルケア(歯や口内を清潔に保つ手入れ)に関心があったんです。実際、大学を出るまで食後の歯磨きを欠かしたことがありませんでした。ところが、社会人になって困ってしまいました。出先で昼食の後、歯を磨くことが難しい。時間がないなかで場所を探すと、公園やトイレになってしまう。あまり衛生的じゃないですよね。

では手軽にオーラルケアができるサービスはないのか? 探したけれど、見つからない。そんな不満を抱えていたとき、出会いがあったんです。あるドラッグストアに立ち寄ったら、セルフサービスでオーラルケアができるサービスがあり、試しに使ってみて、直感しました。これこそ、求めていたものだって。

―ついにビジネスチャンスを発見したと。

調べてみると、それは日本では、ほとんど普及していませんでした。もしも、私がそのメーカーの経営者なら、全国の施設などへ大々的に営業をかけます。「空いてるスペースを有効活用し集客につながります」と説明すれば、必ず売れる―。居ても立っても居られなくなり、退職を決意しました。

―会社の稼ぎ頭だったので、引き止められたのでは?

突然切り出したので、かなりお叱りを受けました(笑)。でも、いまは関係良好ですよ。仕事とプライベートの両面で、前職の方々とおつきあいがあり、今でも大変お世話になっております。

創業時は大変で苦しみながらも、独自のブランドを確立

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―退職後、どうやって事業を始めたのですか?

自分の考えが正しいかどうか、まずは自分で確かめました。知人が経営するジムへ置かせてもらったんです。すると、たくさんの人が使ってくれた。やはり、このビジネスは伸びると確信しました。

とはいえ、このままでは理想の製品を提供できません。2015年に株式会社シャリオンを設立し、世界中をまわって生産工場を探しました。そして、独自の商材を開発し、各国に特許や商標登録を出願。安全性や性能はもちろん、デザインにもこだわりましたね。

―未経験の業界でゼロからのスタート。苦労があったのでは?

創業当初は色々と苦労しました。個人資金のみで立ち上げた、小さな会社でしたから。狭い事務所で、ほとんどの業務を私ひとりでこなしていました。サービスブランド名は「ホワイトニングネット」。加盟店やサービスの情報などを集約した同名のWebサイトも立ち上げ、ビジネスモデルを構築しました。

拡販のカギとなるのは、コストです。でも、製造コストを下げるためには、たくさん受注して大量生産しなければならない。そんなジレンマのなか、営業に駆けずり回りました。もちろん、前職のツテを頼るわけにはいきません。ひたすらアポイントをとり、サービス導入メリットを丁寧に説明し、少しずつ加盟店を増やして、製造コストを下げていきました。

テレビ取材を契機に注文が殺到。展示会の片隅から全国区に

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―どのようにして、急成長を果たしたのでしょう。

きっかけは美容系商品の展示会。知人が経営する出展企業にお願いして、ブースの一角のスペースをお借りし出展しました。数百社が出展する東京ビッグサイトの片隅に、小さいブースでした。それがなんと、テレビの取材班の目に留まって。後日、TBS系列の全国情報番組で「ホワイトニングネット」が紹介されました。儲かる注目のビジネスだと。
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―それで知名度が一気に上がった?

ええ。幸運としか言いようがありません。番組放送後、とんでもない数の問い合わせが殺到しました。当時はコールセンターも営業部もありません。少ないスタッフを総動員して、電話やメールに必死で対応しました。発注をもらいすぎて、導入が追いつかないくらい。銀行融資も発注書をお見せし、お願いし融資を受けました。

―売れない苦労から、売れすぎる苦労に変わったわけですね。

お客さまにお待ちいただき、一つひとつ順番に納品していきました。その後も他のテレビ番組で導入店舗が紹介され、右肩上がりで注文が増えていきました。

現在の加盟店は4,500店舗以上。そのうち、美容院やネイルサロンなどの美容系の施設が約6割を占めています。残りの約4割はスポーツジムや整骨院など、非美容系の施設。最近では、従業員への福利厚生として導入する企業も増えています。

―世の中にない新しいサービスが成功した秘訣は何ですか?

理由はいくつかあります。まず取り扱いが簡単なので、専門的な知識・技術が必要ない。歯を削ったり漂白したりしないので、安心・安全。わずかなスペースさえあれば、サービスを導入していただき集客につなげられます。

たとえば美容室なら、通常のヘアカットにホワイトニングもくわえて、トータルビューティーを提供できる。ホワイトニング目的で来店した顧客に対して、本業のサービスを案内できる点もメリットです。実際、小さなネイルサロンの売上がアップして、ホワイトニングの専門店を18店舗を擁するチェーンに成長した例もあります。

あとはPRやプロモーションに注力し、イベントや記者会見などを積極的に開催しています。営業研修を充実させ、販売代理店を増やしたのもポイントです。こういった取り組みの結果、毎月150~200店舗のペースで加盟店が増え続けています。

事業領域を特化し、BtoCのネット通販に進出

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―今後の事業戦略を教えてください。

事業の柱として、BtoBの「ホワイトニングネット」を伸ばしていきます。くわえて、昨秋からBtoC事業を本格スタートしました。「美歯口(びはく)」シリーズとして、歯ブラシやフロスなどのオーラルケア商品をネット販売しています。

なかでも好調なのが「30DAYSホワイトニングキット」。1回ごとに開封できる清潔な歯磨き粉と歯ブラシがセットになった新発想のオーラルケア商品です。歯磨き粉はパックに小分けされているので、防腐剤無添加。正しいブラッシングを30日間続けることで、歯の白色化を促します。

―オーラルケア以外の事業は考えていますか?

利益拡大のために、他分野に進出するつもりはありません。当社の理念は「世界でいちばん、笑顔をつくろう」。歯をキレイにして笑顔を増やすため、今後もオーラルケアの領域に特化していきます。

残念ですが日本は、欧米と比較すると、歯に対する意識が非常に低い。定期的に歯科医院へ通う人は2%程度。成人の約8割が歯周病予備軍ともいわれています。歯周病は多くの疾患の原因ともなる病です。だからこそ、私たちは気軽にオーラルケアができる社会をつくりたい。その一環として、さまざまな啓蒙活動も行っています。

―啓蒙活動というと。

『美歯NAVI』という雑誌をプロデュースしています。歯の雑誌って、難しくカタい専門誌ばかりですよね? だから、楽しめる誌面づくりを心がけています。国内外の著名人に登場してもらったり、ファッションなどの話題も取り上げたり。大手企業にも協賛いただき、コンビニなどで販売しています。中長期的な投資として、短期的収益は求めていません。

その他にも歯科医を講師に招いて、全国で歯磨き教室を開いています。全国の子供たちへ様々なアスリートの方や元日本代表の選手らなどゲストをお招きし一緒に、夢を持つ大切さや、オーラルケアを楽しく学んでいます。

日本からアジアのリーディングカンパニーへ

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―海外展開も進めていると聞きました。

はい。まずはアジア進出に注力します。まだまだ小さい業界ですが、我々は圧倒的な国内シェアを占めているので、「オーラルケア分野の日本No.1企業」と評価されています。だから、アジアのリーディングカンパニーになれる。すでに50ヵ国以上から引き合いが来ており、私自身が商談に飛び回る毎日。いまは海外事業部のメンバーをどんどん増やしています。

―最後に「リーダーとして大切にしていること」を教えてください。

ゼロからイチをつくることです。既存事業が好調でも、常にアンテナをはって新しいサービスを考える。ただし、社長の独断専行ではいけません。社員とのチームワークを大切にして、いかに世の中にないものを創り出すか。これからも‟オーラルケア業界のイノベーター”として、革新的な商品・サービスづくりにチャレンジします。

Leaders Item

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名前入りのボールペン。会社経営が軌道に乗ったころ、奮発して購入した。角田氏いわく「契約書など、思い入れのある書類はこれでサインします。不思議と運気もいいんですよ」とのこと。最近はお守り代わりとして、常に背広の内ポケットに入れている。
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BUSINESS

事業内容

・オーラルケア商材の製造・開発・販売
・Web情報サイト「ホワイトニングネット」の運営
・雑誌『美歯NAVI』の創刊・プロデュース

COMPANY

会社情報

所在地:東京都港区麻布台1-11-9 BPRプレイス神谷町4F
設立:2015年1月
従業員数:20名(2019年3月時点)