2019年3月28日

「ヘルシアプレイスをすべての人々へ」。あらゆる形で社会とつながるエニタイムフィットネスのSDGs活動

FastFitnessJapan

24時間営業の男女共用フィットネスクラブにおいて国内最多の店舗数を誇る「ANYTIME FITNESS(エニタイムフィットネス)」。当初の中期計画に掲げてきた国内500店舗・会員数40万人を今年3月に突破し、予定よりも1年早く目標達成を果たした。新たなフェーズでは総人口に対して3%という日本のフィットネス参加率を欧米並みの10%まで引き上げることを狙っている。

そうした活動の一環として昨年11月には「社会とつながろう! OPENフィットネス宣言」をスタート。国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に則した企業活動の展開を始めている。また、新たに元プロレスラーの小橋建太氏が支援する「がんの子どもを守る会」への協賛も発表され、さらなる活動を推進している。

今回、国内でエニタイムフィットネスを展開する株式会社Fast Fitness Japan代表取締役社長CEO兼COOの土屋敦之氏に加え、小橋建太氏にも登場いただき、現状の取り組みの進捗や企業がこうした社会活動に参加する意義、今後の展開への意気込みなどを語ってもらった。

500店舗突破の成長力を社会貢献活動の追い風に

世界28カ国に4000店舗を擁するエニタイムフィットネス。土屋社長率いる株式会社Fast Fitness Japanがその国内1号店を東京・調布にオープンしたのは2010年のことだ。国内500店舗というのは同社が2020年の目標として掲げてきた数字であり、そこに1年早く到達したことになる。土屋社長はここまでの急成長の要因をどのように捉えているのだろう。
土屋氏
「まず、第一に総合性よりも専門性を重視し、そこに世間のニーズが追いついてきた結果だと思っています。9年前に一号店をオープンした時には、一部の同業者から『マシンだけのジムなんて怖くて入会しない』『スタジオやプールが無ければ会員は集まらない』などとネガティブなことを言われたこともありましたが、結果としてこのように成長することができました。確かに、プールもスタジオも何でも揃っている総合スポーツクラブに比べたら我々の店舗はジムだけに特化しています。ただ、その反面で我々の店舗は24時間開いていて、世界4000あるジムがどこでも使えるなど、時間も場所も選ばない利便性があります。会員構成の8割が20代から40代ということから鑑みても、そうした便利さが現役世代のライフスタイルにマッチしてきたことが大きいと感じています」


そんな彼らが次のフェーズで目指しているのは、「ヘルシアプレイスをすべての人々へ」という企業理念に立ち返り、多くの人とつながることでフィットネスクラブを非日常から日常な存在へと変える取り組みだ。


昨年11月に発表した「社会とつながろう! OPENフィットネス宣言」はその基本理念。現在は5000人近くが参加しているハイスクールパス(高校生利用無料の取り組み)の導入やスペシャルオリンピックス(知的障がい者のための国際的なスポーツ組織)への協賛など宣言前からの活動も含めて、国連の掲げるSDGsに則したアクションを行っていく。


宣言時には第一弾企画として中古フィットネスマシンを離島に寄贈する「Healthier Islands Project(ヘルシア アイランド プロジェクト)」を併せて発表し、今月、スポーツ合宿を目的とした来島者増加を目指す沖縄県の座間味島に最初の寄贈が完了したばかりだ。(社会とつながろう! OPENフィットネス宣言に込められた思いやヘルシアアイランドプロジェクトの詳細はこちら
寄贈されたマシンが使用されている様子
寄贈されたマシンが使用されている様子
土屋氏
「座間味島へはセーリング日本代表チームの強化合宿に向けて昨年11月から先行してマシンを贈ってきました。何しろ初めての試みゆえに、島の人の中には島内にエニタイムフィットネスのジムそのものができると誤解する方もいて、小さな反発もあったと聞いています。ただ、ニュースで代表合宿の様子が報じられたことなどによってスポーツ合宿の誘致という本来の活動内容の認知が進み、段々と期待が高まっているようです。本格的な運用開始は夏以降なので反響が上がってくるのはこれからですが、観光がオフシーズンを迎える冬季に結果が出てくれば、座間味島をモデルケースにプロジェクトの価値が一段上がっていくのではと思っています」

そして先日、新たに3つのアクションが発表された。1つ目はスペシャルオリンピックス日本(SON)へのサポートの強化だ。同社では2年前からSONの大会などに協賛してきたが、土屋社長は「時間の経過とともにサポートの内容も繋がりも深くなっている」と語る。
土屋氏
「初めは競技大会への協賛という形でしたが、最近ではSONが推奨するユニファイドスポーツ(健常者と知的障がい者が同じフィールドで運動をする活動)のトレーニングイベントも店舗レベルで頻繁に行われており、ウエイトトレーニングや有酸素運動など基礎体力の向上に向けた活動を行なっています。正直初めは健常者と知的障がい者が一緒に体を動かすことに先入観でギャップを抱いていたスタッフもいましたが、障がい者の方の一生懸命な姿や真剣な眼差しに意識が変化するなど社員への影響も大きいです。2、3回ご案内すれば、我々のサポートなしにトレーニングできそうな方もおり、いずれはエニタイムフィットネスの店舗を知的障がい者の方々と社会がつながる場にしたいと考えています」
福岡・高宮店で行われたスペシャルオリンピックス日本(SON)アスリート向けのユニファイドトレーニングでは、7名のアスリートが参加した
福岡・高宮店で行われたスペシャルオリンピックス日本(SON)アスリート向けのユニファイドトレーニングでは、7名のアスリートが参加した
ここに新たなアクションとして加わるのが、スペシャルオリンピックスの国際組織と米国のエニタイムフィットネスによるグローバルパートナーシップの締結だ。日本が先んじて行ってきた活動をクラブ発祥の地・アメリカでも行っていく。


土屋氏
「『あらゆる人にスポーツの機会を届ける』というお互いの理念の一致がこの度のグローバルパートナーシップに繋がったと聞いています。世界という点では、当社でも先月のNBAオールスターの親善試合として行われたスペシャルオリンピックス世界選抜の試合に、日本代表として参加した三上隼人選手のサポートをさせてもらいました。日本で始まった取り組みがこうして世界に広がっていくのはとても嬉しく感じますね」

プロレス界のレジェンド・小橋建太とのタッグで小児がん患者のサポートを支援

2つ目の新たなアクションが、元プロレスラーの小橋建太氏が支援している「がんの子どもを守る会」への支援だ。
土屋氏
「小橋さんはもともと当社の店舗の会員で、ご自身の道場を持ちたいというお考えがあった中で当社のオーナーになっていただきました。その流れでいろいろとお話しする中で『がんの子どもを守る会』の活動を知り、あらゆる形で社会とつながろうと宣言している我々がサポートしない理由がないと思い、今回、パートナーシップを結ばせてもらいました」


1968年(昭和43年)に設立された「がんの子どもを守る会」では、小児がん患者の子供たちとその家族の長期の入院生活における経済面・教育面の総合的なサポートを行っている。小橋氏は自ら腎臓がんを罹患し、奇跡の復帰を果たしたことでも有名。その闘病の過程に追ったドキュメンタリーを見た小児がん患者の少年との出会いがきっかけで同会との関わりが生まれ、現在は特別アンバサダーとしてトークイベントを通じた募金活動や病院への慰問などを行っている。
小橋氏
「腎臓がんからカムバックしたプロアスリートはいないと言われた中で、僕自身もファンの方々や周囲の応援があってリングに戻ることができました。そんな僕が次にできることを考えた時に、世界の未来を築く子供たちに何かしてあげたいと思ったんです。エニタイムフィットネスがいろんな社会貢献活動をしているのを知ったのはオーナーになってからのことですが、土屋社長のまっすぐな性格は自分と重なるところもあり、この企業と一緒にジムができて本当に良かったと思っています」


小橋氏と土屋社長、二人のジャケットの襟には小児がん患者を支援する活動のシンボルマークであるゴールドリボンのバッジが光っている。
土屋氏
「私も小橋さんと出会うまでゴールドリボンの存在を知りませんでした。そう言う意味では『知らない者同士』のマッチングが生んだパートナーシップと言えるかもしれません。私が知らなかったということは他にも知らない方がたくさんいるはず。私も知って初めてとても大変で重要なことという実感があったので、皆さんにもこの活動について知って欲しいという思いは強いですね」


まずは、参加者のスクワットの合計回数に応じてエニタイムフィットネスが一定額を寄付するチャリティスクワットの実施や子供たちのスポーツ観戦への招待、ゴールドリボンの認知向上に向けた取り組みなど行っていくが、小橋氏はさらに大きな未来を夢見ている。
小橋氏
「乳がん患者支援のピンクリボンに比べたらゴールドリボンの認知度はまだまだ低く、僕一人でできることはとても小さいのが現実です。そんな中でエニタイムフィットネスのような大きな企業がサポートしてくれるのは本当に嬉しい。せっかく一緒にやろうと言っていただいたエニタイムフィットネスの力をお借りして全国にもっともっとゴールドリボンの活動を広め、小児がんと闘っている子供たちがいることを知ってもらいたいです。そして、がんと闘う子供たちの体力が回復した時に、今度は一緒に運動のサポートまでできたら幸せですね」

初のユニバーサルデザイン店舗を多摩センター駅に開設

そして3つ目の新規アクションがユニバーサルデザイン(UD)店舗の設置だ。まずは直営店の多摩センター店(6月オープン予定)を初のUD店舗とし、東京都の整備ガイドラインに基づいて、車椅子でも移動できるスペースの確保、段差の解消、トイレの手すりや高床式ストレッチエリアなどを設置した店舗づくりを行っていく。
土屋氏
「日本に比べて床面積が広いアメリカでは特段意識せずにUD店舗が当たり前。障がいを持つ方も高齢者の方も普通にジムに通い、周りのサポート環境もできています。私は日本もそうあるべきと考えてきましたが、UD店舗は従来の店舗より2割増しのスペースが必要になるため、事業性の面を考えるとなかなか実現することができませんでした。目標の500店舗を突破した今だからこそ、ようやく着手できるというのが実情です。どのくらいのニーズがあるかは未知数ですが、まずはニーズの関係なしに施設を作ってみて、実際に利用される方々の反応を見てみたいと思っています」

SDGsは企業活動を客観的に測る「ものさし」

昨年10月の「社会とつながろう! OPENフィットネス宣言」宣言後、SDGsに即した活動を精力的に推進しているが、ここまでの活動に手応えとして感じるのはどんなところだろうか。

土屋氏
「昨年の宣言後、社員研修の場でSDGsの専門家に講演をしてもらい、社内の認識共有を図ってきました。その結果、直営店の中には自発的な活動でSDGsの取り組みを盛り上げてくれている店舗も生まれました。例えば、街のゴミを拾ったり、地域のイベントに参加したり、環境保護活動を行うといった行動ですが、店舗レベルで個別の事例が出てきたのは手応えのひとつといえますね」
大企業を中心としてSDGsを経営に取り入れる企業が増えているが、そうした企業にアドバイスを送るとすれば、どんなことが挙げられるだろう。


土屋氏
「アドバイスみたいな大層なことは言えませんが、私は『SDGsを導入する』という言葉には違和感があり、SDGsというのは『企業活動を客観的に考えるものさし』のようなものだと捉えています。組織の中に客観的なものさしがあった方が指針はブレませんし、やりたいこともはっきり見えてきます。まずは現状行っている活動がSDGsのどれにあたるかという『現在地』を知り、思考をシンプルにした上で次にすべきことを考えてみてはどうでしょうか」


「全国500店舗、会員数40万人のスケールメリットを生かして、様々な社会活動の認知向上に努めていきたい」と最後に語った土屋社長。おそらく、ひとつひとつのアクションの成果が見えるのはまだ先のこと。それぞれのアクションの方向は異なるが、いつかそれらはSDGsを中心点として「ヘルシアプレイスをすべての人々へ」というスローガンの達成につながっていくことだろう。エニタイムフィットネスのさらなる活動に注目したい。
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