コロナ禍の企業改革は、オフィス環境にも波及。企業の継続成長に寄与する、新しいオフィスのありかたとは?

バルコ

コロナ禍でビジネスは大きく変わった。社内外の打ち合わせはリモートが増える一方、対面プレゼンテーションの機会は激減。オンラインミーティングをスムーズかつ効果的に行うことがいっそう重要になっているが、リアルで対面する貴重な機会に強い印象を残すこともまた大切なポイントだ。これらに対応できるオフィス環境を整えることは、経営者にとって急務といえよう。

今回は、ニューノーマル時代のオフィス変革をテーマに、ビジュアル機器による情報の可視化を通じて企業のオフィス変革をサポートする、バルコ株式会社 代表取締役社長 加藤浩典氏、自動認識ソリューションをグローバルに展開する、サトーホールディングス株式会社 取締役 上席執行役員 小沼宏行氏の対談をお届けする。

テーマは「連携」。新オフィスのこだわりとは

※サトーホールディングスのオフィスの様子
※サトーホールディングスのオフィスの様子
コロナ以前から、リモートとオンサイトが混在する『ハイブリッドワークスペース』を提言し、オフィス改革を推進してきたバルコ。時代がニューノーマルに移行したいま、この傾向はいよいよ顕著になってきた、と代表の加藤氏は話す。その渦中でもある昨年11月、サトーホールディングスは本社を移転。新オフィスはイノベーティブな創造と社員同士のコミュニケーションが生まれる環境を目指し、作り上げたという。加藤氏が着目したポイント、小沼氏が注力したポイントは、それぞれどういう部分なのか。

加藤氏
「コロナ禍のいまは、リモートとオンサイトが混在する働き方への順応が求められています。会議やミーティングもこうした環境下で行われることが、これからの日常になるでしょう。とはいえ、これが対顧客となると、工夫が必要です。自社の強みや製品の良さをリモートで伝えきるには限界があります。そのため、デモンストレーションの場やソリューションに実際に触れていただける場をオフィスに用意し、数少ない対面の機会にこれらを最大活用することが必要になると考えます。その点、サトーホールディングスさんの新オフィスは、ニューノーマルに適合する、さまざまな工夫が凝らされていると感じました」
バルコ株式会社 代表取締役社長 加藤浩典 氏
バルコ株式会社 代表取締役社長 加藤浩典 氏
小沼氏
「当社は昨年11月に80周年を迎えました。この節目に大きな変化を起こそう、というのが目的としてありました。大切にしたのは、“連携”です。我々はメーカーとして、各部門がしっかり関わり合いながら戦力を最大化し、お客様と対峙する、という心持ちはあるものの、以前のオフィスはフロアごとに組織が分かれ、部門間のコミュニケーションが生まれにくい状況でした。さらに踏み込んでお話しますと、カルチャー的にもマネジメントのマインド的にも“垣根のある組織”であることが反省点としてありましたので、移転を機にこれらを徹底的に取り払い、連携を促せる仕掛けをオフィスに設けました。具体的には、社員同士の偶発的な出会いが生まれる場所を作ったり、執行役員の席を定期的にシャッフルしたりしています。
また、コミュニケーションの手法として、フィジカルとオンラインのバランスをとることが重要と考えました。これは、加藤さんのおっしゃる『ハイブリッドワークスペース』の考えとまさに合致しています。当社は、開発・生産・販売・保守にいたるすべてをお客様に提供していますから、直接会ってお話したり、製品に触れながら説明したりする場面が多々あります。こうしたシーンとオンラインをうまく組み合わせることは強く意識しました」
サトーホールディングス株式会社 取締役 上席執行役員 小沼宏行 氏
サトーホールディングス株式会社 取締役 上席執行役員 小沼宏行 氏
加藤氏
「当社もロビーのLEDディスプレイを納品し、御社の『ハイブリッドワークスペース』を実現するお手伝いに関わらせていただきましたが、実際に新オフィスの稼働がスタートして、ビジネスにプラスの効果を与え始めているという印象はありますか」
※サトーホールディングスのロビー
※サトーホールディングスのロビー
小沼氏
「おかげさまでロビーは社内の評判も上々で、社員の期待を超えられたと感じています。エントランスでのサイネージとして設置したこのディスプレイでは、サトーホールディングスの進む方向や自動認識ソリューションの答えを映像コンテンツとして映し出し、ご来社の方にご視聴いただいています。金額も張りますし、長く使うものでもあるので、陳腐化せず、メンテナンス性も含めてスペックの良いものを導入したいと考えていたところ、バルコさんの製品はこれらの条件に適うものでした。また、デジタルコンテンツを変えることでいろいろな見せ方ができますから、それが何かを一目でわからせるための映像を駆使することにも非常にこだわっています」

お客様自身の発想を生み出す、社内ショールーム

※サトーホールディングスのショールームスペース
※サトーホールディングスのショールームスペース
加藤氏
「いま、話題に出たショールームには、大きな感銘を受けました。お客様にソリューションをご覧になっていただくなかに映像を取り入れることは、よりリアルなデモンストレーションにつながります。こうしたメッセージの伝え方は、いつの時代でも色あせない効果の高い手法だと思います」

小沼氏
「当社はモノではなく、ソリューションを売らなければならないと考えてはいるものの、強みとしている自動認識ソリューション(※)は、言葉だけで説明してもなかなか理解してもらえません。そこで、お取引のある各業種で当社のソリューションがどのように使われているのかを具体的にご覧いただける場が必要と考え、設置にいたりました。
結果、お客様にとっても気づきが生まれているように感じています。たとえば「ヘルスケア」のキューブでは医療用ベッドとともに、その隣の「リテール」のキューブでは洋服の陳列棚とともに、ソリューションを並べています。そこに、リテール業界のお客様をご案内すると「サトーさんは、ヘルスケアの分野ではこのようなソリューションをお持ちなんですね」と、反応が返ってくる。つまり、自分たちの業態でも使えるのではないか、と思考されるきっかけになっているんですね。このようにお客様が見て新たな発見をされるようになった点は、我々の狙い通りでした」

※人間を介さず、ハードとソフトを含む機器やラベルなどの媒体により自動的にバーコード、磁気カード、RFIDなどのデータを取り込み、内容を認識する技術のこと

加藤氏
「サプライチェーンのありかたはもちろん、品質管理、トレーサビリティまで、その透明性が厳しく要求される時代になってきています。これらをソリューションの実体験を通してお客様にご理解いただける環境は、御社の大きな強みになりますね」

オフィスのあらゆる場所をミーティングスペース化する、バルコの『ClickShare』

※サトーホールディングスの会議室で『ClickShare』が導入されている様子
※サトーホールディングスの会議室で『ClickShare』が導入されている様子
加藤氏
「大型会議室、ミーティングルームには、バルコのウェブ会議用ツール『ClickShare(クリックシェア)』を導入いただいています。これは、プレゼンターが複数いる会議の際の、画面共有や切り替えをワンクリックで行える業務効率化ツールですが、使い勝手はいかがでしょうか。会議に変化は生まれていますか」

小沼氏
「『ClickShare』の利便性には、社員が驚いています。当社はこれまでも時代に合ったオフィス環境を維持してきたと思っているのですが、とても画期的ですね。機器を準備したり持ち運んだりする手間やパソコンにつなぐ時間が、ほぼゼロになり、本当に便利になりました。今後は活用率を見ながらテコ入れをしていくことに加え、生産性がどのくらい上がったのかを数値化し、他のオフィスへの展開も視野に入れていきたいと考えています」

加藤氏
「さまざまな企業のオフィス改革をお手伝いするなか感じているのは、“部門の垣根を超えたコミュニケーションの実現”を、皆さんが共通して目指していることです。会議室を予約し、資料の事前共有をするものの、いざ始まるとプレゼンターが一方的に話し、参加者は資料に目を落とすだけの従来の会議から、全員が気軽に参加できる双方向の会議へと転換を図る会社が非常に多くなっているのです。これを実現するにあたり、『ClickShare』の活用は非常に有用です。会議に参加するハードルが下がりますし、せっかくだから自分の意見を伝えようという積極的な姿勢も生まれてきます。
※『ClickShare』を使うことで、ワンタッチでPC画面をモニターに表示することが可能
※『ClickShare』を使うことで、ワンタッチでPC画面をモニターに表示することが可能
また、オフィスをハイブリッド型に変えることは、あらゆる場所に打ち合わせスペースを設け、そのすべてをリモート対応にすることを意味します。ディスプレイ、カメラ、マイクスピーカーは打ち合わせスペースごとに必須となり、これらとオンライン会議システムをつなげば、簡単にハイブリッド型の打ち合わせが可能になります。こうした環境からコミュニケーションやディスカッションが生まれゆくことが、これからのオフィスのスタイルとして定着していくことでしょう」

小沼氏
「オフィス全体を見渡して感じているのは、社員同士のコミュニケーションが確実に増えたことです。私自身もしばらく顔を合わせていなかった社員に気づき、会話することが増えました。こうした偶発的なコミュニケーションが本当に多く生まれています。社員全員の生産性を高め、一人ひとりの戦力を最大化して収益を上げていく。そのうえで、株主、社員、社会、会社の四者に等しく還元していくことが我々のミッションです。移転によってそういうマインドがますます生まれてきたように感じています」
※サトーホールディングスのオフィスの様子
※サトーホールディングスのオフィスの様子

最大のテーマは「会議の質向上」×「オフィスのハイブリッド化」

オフィス改革を成功裏に導くには経営者が先頭に立ち、推進していくことが重要といえよう。最後に、ニューノーマルのオフィスのありかたを模索している経営者に向け、先駆者である小沼氏からアドバイスをいただくとともに、オフィス改革の“伴走役”を担うバルコが目指すオフィス像を加藤氏に語っていただいた。

小沼氏
「当社は、今後20年30年にわたってオフィスを使うであろう社員の意見を徹底的に取り入れることを考え、プロジェクトの最初の段階で入社2~3年目の若手社員を中心にワークショップを開催し様々な意見を収集しました。そして、旗振り役の私は、ある程度の道筋を決定できる権限を持ちました。これは、トップに“周りから憎まれてもいい。大変な部分は自分が背負う”という気持ちがなければ、彼らの描くオフィス像を実現できないと考えてのことです。このように、オフィス改革をボトムアップ型で進める方法は、成果につなげる一つの方法だと思います。また、ニューノーマルのオフィスには、まだ正解がありません。ですから、環境に順応していくためにも、多少の自由度を残しながらオフィスをつくっていくと、フレキシブルな対応ができると思います」
加藤氏
「会議にクローズアップすると、日本は会議の平均時間が欧米と比べて長い傾向にあります。また、1日の予定が会議ですべて埋まっている、会議室に空きがないなど、会議にはさまざまな事情が付きものです。こうした弊害を取り除き、会議を短く中身のあるものにしていくことと、オフィスをリモートとオンサイトが混在する『ハイブリッドワークスペース』に変えていくこと。これらを融合させニューノーマル時代に働きやすい環境を整えていくことが、日本の会社の大きなテーマになることでしょう。
そのなかでバルコは、オフィス変革を目指すすべての企業のお手伝いに引き続き取り組むことはもちろん、長くお使いいただけるクオリティのもと、安心と信頼の置けるハードウェアやソリューションの提供を皆様にお約束できるよう、これからも励んでいきます。サトーホールディングスさんからも定期的にご意見を伺いながら、これからのオフィススペースに対する新しい提案に意欲を示していきたいですね」

PROFILE

  • バルコ株式会社 代表取締役社長 加藤浩典

    バルコ株式会社 代表取締役社長 加藤浩典 ソニーで20年間、業務用及び民生機器の映像音響製品に関わり、国内外の販売とマーケティングに従事し、その経験を活かして、ローランドの業務用AVの全世界営業責任者、劇場やコンサートでトップクラスのd&b audiotechnik日本法人の代表を務める。2018年4月より現職のバルコ株式会社代表取締役社長に就任。

  • サトーホールディングス株式会社 取締役 上席執行役員 小沼宏行

    サトーホールディングス株式会社 取締役 上席執行役員 小沼宏行 入社以来、ヘルスケア業界の顧客を対象に自動認識ソリューションの営業に従事。2014年からはヘルスケア子会社の初代社長を務めた。2020年サトーホールディングス株式会社の取締役就任。商品の開発、製造、営業、保守を統括する株式会社サトーの代表取締役社長も兼務。

2021年2月18日

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