2019年3月6日

学生時代とも就活中とも違う、働きながら見つけた“なりたい私”。

ブロンコビリー

飲食業界では、経常利益率が5%以下の企業も少なくないなか、14期連続10%超えの快進撃を続ける企業がある。株式会社ブロンコビリー。東海地区を拠点に136店舗を展開(2019年2月末時点)する名古屋発のステーキハウスだ。1978年の創業以来、経営の質に重視しながらも、“最高の「ご馳走」”を追求し、食材や調理工程において並々ならぬこだわりを見せてきた。

そんなブロンコビリーが近年特に力を入れるのが、人材育成だ。右肩上がりの成長を続ける会社の姿は、現場社員の目にどう映っているのか。さらには、ブロンコビリーで働くことのやりがい、魅力とは。厚木及川店店長 安友沙織さんに話を伺った。

創業40年ながら、まだまだ成長途上。そんな企業スタンスが入社の決め手に

自社バイヤーが選ぶ安全安心の食肉、産地直送で届く新鮮野菜、一等米として知られる魚沼産コシヒカリ。これら妥協なしの食材は、自社調達、自社調理が基本という。中間コストを徹底的にカットできたぶん、お客様が日常的に楽しめる価格を実現している。さらには、炭火でダイナミックに焼き上げるステーキ、ジュニア野菜ソムリエが監修するサラダバー、大かまどで炊き上げる魚沼産コシヒカリの大かまどごはんなど、付加価値をふんだんに盛り込んでいることも大きな強みに、ブロンコビリーは成長を遂げてきた。
これらのアドバンテージを背景に、現場の切り盛りを任される一人が、新卒入社4年目の安友さんだ。昨年11月のオープンにともない、ここ厚木及川店に着任した。


両親の影響で、幼いころから食への関心が高かったと話す安友さん。高校生のときには進路を食に定め、大学では管理栄養士の資格を取得。就職活動は、食品やメニューの開発に携われることを念頭にしたという。
「業種問わず50以上の企業を研究するうちに、最短距離で開発職にたどり着ける道を選ぶことを就活の第一条件として考えるようになりました。すると、『会社規模は大きくないほうがチャンスは多いだろう』『業種のこだわりはない』『休みは不定期でもいい』といった妥協点も見えてきました。そんななか出合ったのが、ブロンコビリーでした」


話を聞けば、東証一部に上場してはいるものの、大手ほど規模は大きくなく、そのぶん風通しは良いという。安友さんは、目標との距離、会社の将来性を知るにつれ、だんだんと興味がわいたそうだ。


「経常利益率の高さが同業他社と比べて群を抜いていることにも驚きました。自分が知らないだけで、世の中にはすごい会社がある。そのギャップがとても新鮮で。そんな環境のなかで自分も成長したいと思いました」


こうして入社を決めた安友さんは、新卒社員は現場からスタートという方針のもと店舗に配属される。やるべきことをやったうえで自分の目標にチャレンジしようという心構えは、安友さんに二つの大きな気づきを与えたという。


「その一つが、現場視点の大切さです。どんなに魅力的なメニューでも、調理工程が複雑で提供まで時間がかかるようでは、社員とお客様、双方にとって良いメニューとは言えません。店舗のオペレーションやお客様の反応を知ることが、ブロンコビリーにふさわしいメニューの開発につながることを、身を持って学ぶことができました」


もう一つの気づきは、店舗の一体感がもたらす社会人意識の醸成だ。


「ブロンコビリーは、スタッフ同士の距離が近いんです。社員と、パート・アルバイトさん、店長やマネージャーといったように雇用体系や立場に関係なく、困っているときは助け合う、気が緩んでいるときは檄を飛ばす。そんなメリハリが、働くことの覚悟や自覚を植え付けてくれました」

「自分には、もう無理」。部長から返ってきた言葉とは

目標、働くことの動機付けは、早いうちから明確だったと話す安友さんだが、実は飲食業特有のワークスタイルに、音を上げそうになったことがある。


「入社半年後、新店に配属されたときのことです。オープニングに合わせて採用されたばかりのスタッフと一からお店を作る環境に身を置くことになりました。それまで既存店でベテランスタッフに囲まれていたこともあり、急激な変化にどう対応すればよいか分からず、必要以上に気負ってしまって……。フロアが回らなくなったらどうしようと考えたら休憩時間なのに現場から離れられなくなり、気持ちの切り替えができず、勝手に追い込まれてしまいました」
オープン間もない、いまこそ踏ん張りどき。そう理解しながらも、いつまでこの状況が続くのか――。安友さんは、先の見えない緊張状態から張り詰めていた気持ちの糸が、ある日プツリと切れてしまったという。気づいたときには、部長に「自分には、もう無理です」と、本音を吐露していた。


「部長からは、『たった一年働いたくらいで、何が出来るようになったというんだ。出来ることが少ないうちにやめるのはもったいない。続けた先に得られることもある。』と、思いがけない言葉が返ってきました。驚きましたが、この経験は必ずプラスになると前向きに転換できるきっかけになりました。いまを乗り越えた先に成長があると、現状を捉えることができたのです」
目の前で起きることに、都度戸惑い立ち止まっているわけにはいかない。まずはやるべきことをどん欲にやろう。そうやって自分の軸を定めたら、あとは走るだけ。その後、ぐんぐんと頭角を現しはじめた安友さんは、入社2年目には、“ブロンコビリーが採用したい新卒社員像”を体現しているとして、リクルーターに抜擢。3年目には店長に昇格と、社内でも期待を寄せられる存在へと成長を遂げていった。

根底は、チームファースト。そのためにわたしがやること、できること

現在は店長として、売上管理、スタッフの教育、シフト管理など、あらゆる業務をこなす安友さん。現場スタッフの頃とくらべ、意識の変化もずいぶんとあったことだろう。


「大げさかもしれませんが、店長は、社員をはじめパート・アルバイトさんの人生を預かる立場だと思っています。たとえば、たくさん働きたい人がいるのに、会社の都合でシフトを減らしてしまうと、その人の生活は立ち行かなくなってしまいます。一人ひとりの働く理由、生活環境に配慮しつつ、売上目標も達成していくには、どう考え行動すればよいのか。そのバランス感覚は常に試されていると感じます」


スタッフ、会社が共に良い方向へ進むには、店舗内のコミュニケーションが大切と、安友さんは話す。聞くと、一緒に働くスタッフは、高校生アルバイトから同年代のフリーター、子育て中の主婦、一回り以上も年の離れた男性と、さまざま。安友さんは、開店直後などの比較的落ち着いた時間を使い、積極的な対話を心がけているという。
「打ち解けていくと、学校のこと、お子さんのことを聞かせてくれるばかりでなく、休みの希望と理由を言ってくれるようにもなりました。そこからその人に合った働き方を考えるようになり、そのたびにブロンコビリーはいろいろな年代・立場の人が一緒に働く場所と気づかされます。この多様性を大事にしながら、お店を切り盛りするのは生半可なことではありませんが、目標を達成できたときの仲間が喜ぶ姿は何にも代えがたい。店長だから味わえる醍醐味です」


仲間の喜ぶ姿を見ることは、実はお客様が喜ぶ姿を見る以上に嬉しい。安友さんはここだけの話とでも言うように、そっと打ち明けてくれた。


「もちろんお客様のためにという気持ちは大前提としてありますが、そのお客様を迎え入れご満足いただくのはわたしたちスタッフです。だからこそ、まずは自分たちが働くことに喜びを感じる必要がある。そんな考えから、チームファーストの気持ちは常に優先しています」

「内省と成長の機会が同時に得られる場」。ステーキの本場で学ぶ『アメリカ研修』

ブロンコビリーでは人材育成の一環として、朝礼をはじめ早朝勉強会、階層ごとの経営会議など、学びの機会を多く設けている。お店にいては気づけない会社の現状を知る場、他店メンバーと情報共有する場として機能しているが、なかでも毎年行われる『アメリカ研修』は、同社が最も注力する研修制度だ。参加経験を持つ安友さんもまた、「外の世界を知ることは、自分を省みられる貴重な体験」と振り返る。


年次、雇用体系に関係なく成長意欲の高い従業員が選抜されるというから、参加意識もおのずと高くなる。ステーキの本場の空気を肌で感じることは、店舗運営の理想像の理解につながる絶好の機会になっている。
「アメリカのホスピタリティの高さは目を見張るものがあります。任されている店舗と同じ規模なのに、お客様の気持ちを先回りしたサービス、活気に沸く店内、これらに心地よさを感じるお客様の姿はとても印象的です。これらを自店で実現するにはどうすればよいのか、そんな課題を与えられた気持ちになりました。アメリカ研修は、これまでの内省と今後の成長の機会が同時に得られる場だと感じています」

今の目標は、昔のわたしのように悩む社員を減らすこと

入社から4年のあいだに多くの経験を重ねてきた安友さんのように、20代半ばでお店を任され、そのための必要な知識も得られる環境があるのは、ブロンコビリーならではだ。会社もまたさらなる成長を目指し、疾走しているからこそ与えられる裁量とも言えるだろう。


安友さんは、そんな環境に身を置くうちに自身のキャリアの考えかたに大きな変化があったという。


「いまは、店長の次のポジションであるエリアマネージャーを目指しています。現場に日々立つなか、お店を円滑に回すためのオペレーションやトレーニング体制、売り上げアップを目的としたキャンペーンの企画など、『自分だったら、こうしたい』という考えやアイデアは膨らむばかり。これらを現場に導入したい思いを強く抱くようになりました。

この思いに加え、先ほどの話のとおり、わたしには心折れそうになった経験があります。そのときの辛さを知っているからこそ、同じ思いを他の誰にもさせたくはありません。悩む人が減る仕組みを現場に導入したい。さらには、そうやって考えられる人を現場に増やしたい。『頑張った結果、こうなりました』という姿を後輩に示すことで、誰もが長く働けるお店を確立したいと思っています」
そのためには、大局からマネジメントできる立場になる必要があると話す安友さん。入社当時には、確かにあった“メニュー開発をしたい”という目標。けれども、“目標への通過点”と思っていた現場の仕事こそ、自分が真にやりたかったことと気づいたのだ。


「そうやって、自分の知らない自分と出会え、その可能性を探れるのもブロンコビリーの魅力。メニュー開発は、いつか携われたらもちろん嬉しいです。けれども、いまは胸にしまっておきます」

ブロンコビリーは、ステーキのように熱い思いを持つ人が集う場所

これまでの話を聞くなか、ブロンコビリーは、安友さんのように課題解決の視点を持つ人、自ら改善行動を起こせる人ほど、成長を実感できる環境といえるだろう。さらに今後は、意欲に燃える安友さんをはじめ、頼もしい先輩たちが働きがいのある店舗づくり、会社づくりをより実践していくことになる。


「日々をルーチンで送るなんてつまらない、やりたいことに打ち込みたいという人はもちろん、ほのかに灯る思いに火を付けてほしいと考える人にとっても、ブロンコビリーはぴったりの環境。「きつい。けれども楽しい」と話す社員も多いんですよ。これは、大変さを乗り越えた先にある成長を実感できているから。一つのことに頑張れる人、その先の自分にワクワクできる人にはたくさんのチャンスがある職場だと思います」
ブロンコビリーで輝ける人材像を語ってくれた安友さん。結婚、出産など働き方がライフイベントに左右されやすい女性であっても、工夫すれば働きやすい環境はつくれると言葉を続ける。


「現場には、結婚を機に時短勤務で働く人、育児休業後に復帰した人もいます。結婚にともなう転居、パートナーの転勤等があっても、店舗網は広がりつつあるので、どこに行っても働き続けられる環境は、ますます整うことでしょう。制度を活用する人はまだ多くはありませんが、わたしも活用する立場になったときには、その体験を基にさらに使いやすくするための提言をしてみたい。会社が未完成なぶん、社員が携われることはまだまだ多いと感じています」


自分の視点が会社をよりよくするきっかけになる。
そう信じ、安友さんは今日も前線に立つ。その姿は、「一人ひとりが経営者」という全社共通の価値観をそのまま体現しているかのようで頼もしい。


「ブロンコビリーは、ステーキのように熱く、こだわりを持つ人がたくさんいる会社。そんな一体感がチームで働く楽しさ、やりがいを大きくしてくれています。わたしもそんな好影響を与えられる人になれるよう、さらに頑張りたいです」


目指すは、日本一のステーキハウス。ブロンコビリーの大きな目標を支える社員一人ひとりにも、当然ながらドラマがある。そして、ここでしか実現できない目標のため、日々励み続けている。
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