2019年7月25日

「総合買取サロンTIMELESS」 百貨店専門で展開する、その独自の経営哲学とは

ダイヤコーポレーション

PROFILE

  • 株式会社ダイヤコーポレーション 代表取締役 太田 大哉

    株式会社ダイヤコーポレーション 代表取締役 太田 大哉 1981年、東京都生まれ。大学卒業後、リサイクル販売大手の株式会社大黒屋へ入社し、リサイクルビジネスについて学ぶ。その後独立し、2009年4月、ヒュペリオン株式会社(現 株式会社ダイヤコーポレーション)を設立、代表取締役に就任し、現在に至る。弟はサッカー元日本代表、現名古屋グランパス所属の太田宏介選手。

ブランド品買取・販売事業、オークション事業などを展開している株式会社ダイヤコーポレーション。
特に百貨店内に店舗を構える「総合買取サロンTIMELESS」の国内3店舗目を今月7月10日(水)にオープンするなど、買取業界で注目を集めている。ネット買取や、路面店の買取ショップが数多く存在する中、事業を広げられる理由はどこにあるのだろうか。その理由を代表取締役太田大哉氏に伺った。

百貨店専門展開のねらい

――現在、東急百貨店渋谷本店と吉祥寺店に店舗がありますが、百貨店専門で展開している理由を教えて頂けますか。
弊社は通常の路面店としても出店したことがありますが、リサイクル業界の中で差別化を図ることはとても難しく、試行錯誤を繰り返していました。そんな中「TIMELESS TOKYO」という販売店を運営していた際、他店と異なるブランディングにすべく「ヴィンテージショップ」として突出した商品に特化してみたところ、ファッション感性の高い芸能人やモデルにSNSで紹介され、大きな手ごたえを感じたのです。

そのとき、他店とは異なる戦略を打ち出すのが良いのでは、と「TIMELESS TOKYO」がテナントとして入っていた東急グループの百貨店様とお話をする中で、我々の熱意を採用してもらったことが百貨店専門で展開することとなった経緯です。

出店する場として敷居が高く感じる百貨店ですが、そんな百貨店も近年悩みを抱えています。来店するお客様の高齢化に伴い、積極的に商品を購入してくれないだけでなく、過去に購入した商品を家に溜め込んでしまうことでなかなか循環していかないことが百貨店の課題です。また百貨店のお客様も、買取ショップというものの存在は知っていても、安心して売却できるお店がないと思っている方が多いことがわかりました。そんな百貨店のお客様向けの“場”をご提供したいと思ったことも大きな理由のひとつです。

――百貨店内のサロンということで、客層や持ち込まれる品も一般のリサイクルショップとは異なるのでしょうか。
路面店と比べ、百貨店の客層であるシニア層のVIPの方や富裕層の方、その娘さん・息子さんが多くいらっしゃいます。「総合買取サロンTIMELESS」という名称に、「ショップ」ではなく「サロン」と名付けたのは、一般のお店は利用しないような客層の方々に向けての店づくりを表明する意図もあります。

お持ち込み頂く品は、貴金属やブランドバックや時計などはもちろんですが、一般のリサイクルショップと比べて特徴的なのは金券や骨董品・美術品がかなり多いことかもしれません。

――シニア層の方向けの対面買取サービスにはどのようなニーズがあるとお考えですか。

大切な骨董品や美術品など身近なものを買い取りする中でお客様との信頼関係が構築され、だんだんお客様が悩んでいる身の回りの相談を受けることも多いんです。

もちろん、我々は買取以外は専門ではありませんので具体的なアドバイスはできませんが、相談相手となり親身になってお話を聞くことで、お客様にとって「総合買取サロンTIMELESS」が「ものを売り買いしに行く場所」ではなく、「買取プラスアルファで悩みを話しに行く場所」としてのニーズとしてもお応えできていると思いますし、それが百貨店に入っている店の責任でもあると思います。

このようにして1対1の対話を大切にし、信頼を得ることで買取にも還元されていると感じます。
――現在増えている、ネット査定買取や路面店の買取ショップにはない価値があるのですね。

そうですね、一番大切にしているのは信頼性です。スタッフにはシニア層のお客様にとって孫世代の年齢の者もいるので、たとえばわからないことがあったらわからないと正直にお伝えするなど、無責任なことは絶対にしないように徹底しています。お客様を大切にすることはもちろん、百貨店の看板とダイヤコーポレーションの看板を大事にしていることは心がけていますね。

そのため、「総合買取サロンTIMELESS」は自分の大切なものを誠実に扱ってくれるな、とお客様が評価してくださり、また別の品をお持ち頂いたり、知り合いの方に紹介してくださったりすることが多くあります。あまり一般的なリサイクルショップでは他の人にお勧めをすることはないと思いますが、百貨店という場所にあるからこそシニア層の方も安心して口コミしやすい環境であるというのは大きいかもしれません。

独自の経営哲学

――タイムレスではオークションを運営していますが、買取ショップとオークションをワンストップで運営しているのは理由があるのでしょうか。
当社では「総合買取サロンTIMELESS」で買取したものを、自社オークションで世界中のバイヤーに売却しています。
オークション事業は11年目になりますが、自社で買取したものを自社のオークションで売ることのメリットは、売却手数料を顧慮する必要がないため、高価買取が可能になるということに加え、実はもうひとつ大きなメリットがあります。

一般的にはあまり知られてはいませんが、リサイクル商品はたとえ同じ商品であっても、為替のようにその相場は日々変動していきます。自社でオークションを持つことで、常に最新の相場を知ることができるのは大きな強みです。最新の相場データを知っていれば、商品がサロンに持ち込まれた時点でオークションでいくらで売れるのかが分かるため、その商品の適正価格を提示し、すぐに目の前のお客様に還元することができます。適正価格での買取をすることでより高額な買取が実現するのです。

さらに、オークションではその商品が相場よりもさらに高額で売却できるよう、オークショニアの教育にも力を入れています。いかにヴィンテージとしての持ち主の想いや価値をバイヤーに伝えるかだけでなく、声のメリハリやテンションを工夫し、大切な品を高値で売る努力をすることができるのも、自社でオークションを持っているからこそですよね。

――7月10日に新店舗がオープンしますが、なぜ名鉄百貨店 一宮店を選んだのでしょうか。

以前、名古屋のコメ兵様と提携し、愛知県で約5年間オークション事業をしたことがありました。そのため、愛知県のお客様の地域性や特色などを、身を持って体感できているというのは大きいかもしれません。愛知県の方はとても慎重ではありますが、一度信頼して頂けたらとことん信頼してもらえる県民性があります。これまで渋谷・吉祥寺店で培ってきた信頼性を、愛知県のお客様にも感じて頂くことができれば、名鉄百貨店が愛知県で作ってきた歴史に対しても貢献できるのではないかと考えています。

今後の取り組み

――今後展開していきたい地域や店舗はありますか。
名古屋への出店を皮切りに、東京以外のさまざまな地域に根付くことでお客様に対する信頼を構築していきたいという思いがあります。今後展開したい地域としては大阪、九州、北海道を考えています。
とはいえ、信頼を大切にしていきたいので、やみくもに規模を広げることはしないつもりです。あくまで私達のお店に来てくださっている方を大切にしながら、業績とのバランスを見て展開を検討していきたいと思います。

――今後の事業展開はどのようにお考えですか。

現在韓国とシンガポールでも店舗を構えていますが、今後さらに海外展開も広げていきたいと考えています。海外にはまだまだリサイクル文化がそこまで浸透していません。自分にとっては不要なものでもその品を必要な人に渡らせることでお金に換えることができるリサイクルはエコの観点から見ても素晴らしいものです。日本人にとっては当たり前の感覚ですが、海外の方はまだこのリサイクルの感覚を持っていないと思います。私達はリサイクルというものを、日本の百貨店だけでなく、世界中の百貨店に普及していきたいと思います。

さらに、新規事業として行っている化粧品事業も大変好調です。韓国の美容室と提携し韓国コスメ「SAM'U」を輸入しインターネットで販売しているのですが、20~30代の女性に大人気で販売と同時にすぐに完売になってしまうほどです。これは私達が過去に「TIMELESS TOKYO」でSNSを活用しヴィンテージブームを巻き起こしたのと同じ手法で成功しています。このように若い世代に向けてブームを起こすことは得意としていますので、今後も展開していきたいと考えています。
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