2018年7月27日

低コストを内製化で実現、GMOあおぞらネット銀行が仕掛ける新サービスとは

GMOあおぞらネット銀行

2018年7月17日、「GMOあおぞらネット銀行」が誕生した。金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を掛け合わせた造語「フィンテック」、仮想通貨・ブロックチェーンなどの言葉が飛び交い、一方で地方銀行では再編が進むなど大きな変革期を迎えている銀行業界。後発でのスタートとなる同社が仕掛ける新サービスとは。インターネット銀行プロジェクトマネージャーの村部取締役と開発責任者である辻氏に聞いた。

手数料の安さで勝負、新しい決済機能の優位性

取締役 村部慎次氏
取締役 村部慎次氏
2018年7月17日に誕生したインターネット銀行「GMOあおぞらネット銀行」の何よりの強みは、GMOインターネットグループの顧客基盤にある。EC市場のメインプレーヤーとしてEC事業者にショッピングカートや決済代行サービスを提供しており、「まずは他の銀行よりサービスレベルの高い決済機能を備えることにより、GMOインターネットグループのお客さまに向けてサービスを提供する」(村部取締役)。


事業開始時点での主要商品は次のとおり。


まずは、EC事業者が商品購入者1人1人からの振込入金を管理するための仮想口座番号を貸し出す、「振込入金口座(バーチャル口座)」。このサービスを利用すれば、EC事業者にとって振込有無の消し込み作業が簡便になるとともに、お客さまの購入から発送までの時間を短縮でき、EC事業者・お客さまともにメリットがある。


また、振込入金口座を含む決済機能やその他金融サービスなど、銀行機能を他事業者にOEMで提供する「プラットフォーム銀行構想」もある。


一方、GMOクリック証券との銀証連携「証券コネクト口座(スイープ口座)」では、同社の口座残高をGMOクリック証券取引口座の買付余力に自動的に反映し、株式取引に利用できるようにする。加えて同社外貨預金は、FX世界No.1のGMOクリック証券との協業により、競争力のある為替手数料・金利水準を実現する。「利便性の高い銀証連携サービスで、社会的要請でもある貯蓄から投資への後押しを図る」と村部取締役は言う。
ビジネスソリューショングループ システム統括リーダー 辻隆志氏
ビジネスソリューショングループ システム統括リーダー 辻隆志氏

強みは、少数精鋭、内製化で実現した銀行システム

「あらゆる手数料について業界最低水準でサービスを提供できる」と村部取締役は同社の優位性を強調する。それを可能にしているのは、GMOインターネットグループ内で行うシステム開発だ。


リーダーとしてシステム開発の指揮をとっている辻氏は、「ベンダー、SIer10数社との調整に最も力をさいている」と話す。同社ではマルチベンダーでの開発を進めており、残高管理システム、画面などパーツごとに開発するベンダーが異なる。


「システム開発を内製にするのはGMOインターネットグループの文化」(辻氏)で、これによってローコストを実現し、GMOあおぞらネット銀行、GMOクリック証券、GMOペイメントゲートウェイのシステム連携や細かいユーザーのニーズにも迅速に応えることができる柔軟性の高い開発体制となっている。


中小企業や個人事業主が多いEC事業者にとってすれば、システム内製によって可能となった、競合他社より3~4割安い手数料は最大のメリットと言えるだろう。
「UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を自分たちでコントロールできる開発体制を生かし、新技術を積極的に取り入れながら、新しい商品を顧客が使いやすいサービスにブラッシュアップしていきたい」と辻氏は意気込む。

ニッチ戦略で顧客開拓、まずは5年後100万口座

セキュリティ技術による生体認証、スマホとIoT機器を連動させたカードレス決済、AIと機械学習による融資判断、ブロックチェーン技術で仮想通貨を活用した決済など、次世代型のインターネット銀行では、さまざまな展開が期待されている。


一方で、同社の主戦場となるEC市場では、物販系分野向けに加え、今後は不動産や宿泊・飲食サービス、医療・福祉などサービス系分野向けのネット予約や決済の広がりが見込まれている。これらを背景に、「目指すところは5年後、個人100万口座、業務粗利益(一般にいう売上高)100億円」(村部取締役)。実現に向けて、GMOあおぞらネット銀行はスタートラインに立った。
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