AIで生活をもっと豊かに。顧客が求めるサービスをカタチにする、インフォネットの技術開発力

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2017年「AI元年」という言葉がニュースを飾り、日常生活でもスマートスピーカーや、AI搭載家電などAIを身近な「ツール」として感じることが多くなってきた。ここ最近急速にAIの利用が世間一般でも広まっているが、2019年は、ますますこのAIを有効利用したサービスやモノが増えていくことが予想される。だがそこにはAI技術の開発力が必至だ。今回、AIソリューションの技術開発力で注目されている株式会社インフォネット岸本社長に、同社の技術開発力や今後の展望について話を伺った。

強みは“ワンストップソリューションの提供”と“プロデュース力”

インフォネットは、もともとWebサイトやCMSサイトの構築、システム開発などを行ってきた会社だ。2018年2月に本格的にAI分野へ参入し、AIを利用した文章解析とディープラーニングを活用した進化するAIチャットボットアプリケーション「AiQon(エーアイコン)」をリリース。同年11月にはApaman Network株式会社が不動産賃貸仲介としては初の試みとなるAIテクノロジーを活用した賃貸住宅物件「AI Smart Room」のスキル開発におけるパートナー契約を締結するなど、急速にAI分野にて頭角を現している。


――WebサイトやCMSサイトの構築などが会社の主力事業だったにも関わらず、新たにAI分野に注力していこうと決断したきっかけは何だったのでしょうか。


「2018年はトヨタやGAFAなどの大手企業の取り組みでも話題になりましたが、デジタルトランスフォーメーション時代の到来が目前に感じられた年でした。IoT、AI、Bigdataの技術革新により、ビジネスモデルをはじめ個人の生活や社会構造の変化を目前に控えている状況であり、そのような中AI分野に取り組むことは当社もIT技術屋の一員として、責務であると考えています。また、 Web業界としてもボイスユーザーインターフェースがますます主流となってきているなど、AI技術の活用やその存在感はますます強まってきています。

そんな中、創業当時より「Web・IT技術を通じてお客様の事業課題解決をご支援する」ことにこだわり、ワンストップソリューションでのサービス提供を強みとする当社がAI技術の取入れに注力しないという選択肢はあり得ませんでした。
今後AIの力は不可欠な時代になっていきますし、自社のアイデンティティの延長としても必要な技術であると認識しています。そのため、Webサイト制作事業・CMS事業に続く大きな事業の柱とすべく2018年の2月より参入しました」
――仰る通り、AIの力は必要不可欠な時代に突入しています。大手企業をはじめ、AIを活用したサービスや技術開発に注力する企業はどんどん増えています。その中で、御社ならではのAIソリューション開発力の強みは何でしょうか。


「大きく2点あります。1つ目、これはAIソリューションのみにかかわらずお客様へのソリューション提供をアフターサポートまでワンストップで提供できることです。
特にAIソリューションに関しては、システムを運用していく中で様々なPDCAをくり返し、育てていく要素が必要不可欠。現在リリースしている『AiQon』などのソリューションにおいてはウィークリーでチューニングサービスを行っており、非常に好評をいただいています。

2つ目は、AIソリューションのプロデュース力です。
当社では単一の機能にかかるAI開発は行っておりません。なぜかというと、AWSやGoogle、Microsoftなどに代表される大手ベンダーが大量のビッグデータをもとにAI機能開発に力を入れているためです。当社は、画像認識、音声認識、自然言語理解、翻訳、レコメンデーションエンジンなど大手ベンダーの機械学習エンジンを、目的に合わせて結合利用し、お客様独自のAI関連システムをプロデュースしています。そのため、稼働させるためのサーバ構築から運用保守、定期的なチューニングやシナリオライティングなどをワンストップでご提供することが可能です」

インフォネットならではの技術で顧客へ価値あるサービスを提供

――AI分野へ本格参入後にリリースした、進化型AIチャットボットアプリケーション「AiQon」について、AIチャットボットとしての革新的な一面があれば教えてください。
進化型AIチャットボットアプリケーション「AiQon」
進化型AIチャットボットアプリケーション「AiQon」
「『AiQon』には革新的な機能が大きく2点あります。
1つ目は、サイトクローリング機能です。この機能はチャット導入対象のサイトをPDF等のドキュメントの中身に至るまで自動でクローリングをかけ、質問に対する回答として必要となるデータをいったん自動で形成できます。AIによる自動応答をしようにも、返答となる元データがなければ用途を果たすことはできません。実は多くの企業様がAIチャットボットの導入時に一番苦慮される、または断念されてしまう理由がそのデータ作成の工程です。

クローリングによりデータを形成し、用途に合わせ、当社のエンジニアがサポートしつつ回答をチューニングすることで、AIチャットボットのスムーズなスタートを切ることができます。あるお客様においては、社内イントラに『AiQon』を導入した際、社内マニュアルの一部が古い状態であったことが副次的に発覚し苦笑いされているようなケースもありました。

2つ目は、管理システムに蓄積されるログ管理機能です。
一般的には、ある質問に対しどのような回答を行ったかというログを残し、その結果をみて適切な回答を用意するなどのチューニングを行うわけですが、当社の『AiQon』にはその機能のみならず、ユーザーごとの会話の流れをスレッド形式で表示させる機能があります。
これらの機能を組み合わせることで、単にチャットボットがどういう回答をしているかにとどまらず、ユーザーがどのような流れでどのような質問をしているかというフローを見ることができ、真にユーザーの求めるコンテンツを抽出しマーケティングに活かすことが可能です。

その他、AIによる自動対応と有人による対応を切り替える機能や音声による応答機能、また多言語対応などもオールインワンの機能としてもパッケージ化しております」
――まさに顧客のニーズに寄り添った技術やサービスと言えますね。近年の傾向としては「AIの技術開発を行っている企業」と「開発協力会社を求めている企業」の需要と供給のバランスはどのように感じられますか。


「AIとひとくちにいっても様々なソリューションがありますが、ご質問の需要と供給という話でいくと、主にRPA(ロボットプロセスオートメーション)の領域に明確なニーズがあるような肌感覚があります。RPAというマーケットは、政府が推進する“働き方改革”という日本の進むべき方向性もあり、「くり返し行う業務」「大量データを処理する業務」「ルールに基づいた業務」のように、誰が対応しても同じ結果になるような業務をAIに任せることで、人間はより効率的でクリエイティブな業務に集中することができるというものです。

一方で、チャットツールの導入は非常に進んでいますが、ここにAI機能を、というと現段階では自治体などの行政関連組織が積極的に実地検証を行うというようなまだまだサービスの認知フェーズ認識です。
特に活躍を期待されているのが、ゴミの分別や出し方、所定の手続きに関するFAQというような、いわゆるよくある質問へのAI対応です」
「RPAとAIチャットボット、どちらの領域も、「くり返し行う業務」「大量データを処理する業務」「ルールに基づいた業務」にそのニーズがあるのは変わりませんが、AIチャットボットとなると、返答すべきデータのインプット元が定義づけられた数値データ等とは異なり、人間であるという点が、ある意味で大きな課題となっているわけです。ですからご質問への回答としては、RPA領域がそうであるように、需要も一定層を除き潜在化しており、供給も限られたベンダーによる提供からまずはスタートするのではないかと考えています」

AI事業を、次の大きな柱に

――今後の具体的事業として、Apaman Networkとパートナー契約し、賃貸住宅でのAIソリューション提供をスタートしましたが、Alexaのスキル開発において、現在どのような開発が行われていますか。


「想定している個別の機能自体のフレーム設計はすでに終えており、今現在はAlexaスキル「APAMAN(仮)」でかなえたいユーザーバリューを最大化するための、シナリオプログラムを作成しています。
詳細はお伝えできないのですが、例えば新生活をスタートされて1か月目の入居者と3か月目の入居者では、生活を快適にするために必要な情報は異なって当然です。

当社にはシナリオライティングスタッフもおりますので、ユーザーケースを想定し「人対ロボット」ではなく、ちゃんと「アパマンショップがサポートしてくれている」ように入居者に感じて頂くべく、そのためにも、よりメリットのある情報を提供できるようなスキルを目指して引き続き開発をしていきます」
現在開発中のAlexaスキル「APAMAN(仮)」
現在開発中のAlexaスキル「APAMAN(仮)」
――不動産業界以外でも活かせそうなスキルですね。


「今後は他業界含め、この技術を横展開していくことができればいいなと考えています。どこか特定の業界にこだわるつもりはないのですが、不動産関連であればすぐにでも導入は可能ですよね。他にも、コールセンターや社内イントラなどの部分であれば既に開発した技術を元に比較的安価でのご提供が可能なのではと思います。もちろん、現時点で当社が開発したことがないようなものであっても、IoT関連のご要望であればオーダーに応じて開発することができますから、Apaman Network様と行ったような共同開発にも積極的にチャレンジしていきたいと思っています」


――最後に、2019年、AI事業を含めインフォネット全体としての事業戦略をお聞かせください。


「おかげ様で『infoCMS』は3年連続で、国内シェアナンバーワンとなりました。インフォネットの追求してきた技術の流れからすると、顧客の個別ニーズの汲み取りから、企業Webサイトの開発・運用に必要な基盤となるCMS=infoCMSの提供、顧客企業とそのユーザーのコミュニケーションを円滑かつ効率的に行える『AiQon』の展開と進み、この分野の開発では必須のAI技術の蓄積を行ってきました。この先はAI技術によるユーザーのライフスタイルの質の向上に繋がる技術とそれを実現する基盤の構築をインフォネットとして進めることで、パートナー企業様とそのユーザーに、AIによる具体的なメリットをご提供できる企業を目指します」

2019年1月17日

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