アジア市場にすぐ出れる!優れたアジア出店支援サービス 『スグデル』
昨今、日系企業の海外進出が増加している。理由は複数あるが、世界的に「ジャパンクオリティ」が注目されており、飲食業界でも日本食に対する興味や需要が高まっている。日本に来た外国人観光客が日本食の美味しさ、店の雰囲気やサービスの良さを体感し、自国に戻っても日本食レストランに通う、といった流れも生まれつつある。
アジアにおいて日本食の人気は高く、今後も需要拡大が見込まれるが、日系企業の「海外出店」と「海外法人設立」の2点は非常にハードルが高い。ゼロからのスタートで、出店場所の調査やマーケティングを実施し、併せて海外法人を設立するには、最低でも半年程度かかると言われている。
日系企業の海外出店需要に迅速に対応するため、設備・建築・内装・冷蔵・厨房技術を組み合わせた独自のサービスを手掛ける商空間テック企業「株式会社ラックランド」と、企業のディスクロージャー・IR支援のためのトータルソリューションを提供する「株式会社プロネクサス」が業務連携して展開するのが、飲食・小売業界向けのアジア進出支援サービス『スグデル』である。
今回は、ベルサール東京日本橋で行われた『スグデル』発表会の内容を紹介する。
国内外の店舗の設計・施工からメンテナンスまで一手に引き受ける「ラックランド」
まずは、本サービスの主幹であるラックランドについてご紹介する。本企業は、飲食店や小売企業を主顧客とし、企画から、設計・施工、メンテナンスにいたるまで一貫してサービスを提供する企業だ。
ラックランド代表取締役社長 望月 圭一郎氏(以下 望月氏)
「当社は、業務用冷凍・冷蔵庫の卸売・販売からビジネスを開始し、長年、飲食・小売店舗の設計・施工、メンテナンスを主力事業としてきました。この他にも、ホテル、食品工場、物流倉庫、アミューズメント施設、医療関連施設など新たな分野でも実績を上げております。
最近、お客様から海外での店舗の設計・施工についてご相談やご依頼を受けることが多くなってきています。当社は、世界でも期待される企業になりたいと考えており、お客様の海外進出については積極的に支援を行っています。
海外での施工環境は日本とは大きく異なり、次のような想定外のトラブルも発生します。
【海外事例】
2015年にインドネシアのショッピングモール内の焼肉店を施工した際、換気設備のスペックが、当該ビルの管理会社から説明されていたスペックよりもかなり低く、十分な排気ができませんでした。ビル側に調整を依頼しましたが、後日、当社で排気量を測定してみると、状況はまったく変わっていませんでした。再度交渉したものの、何も改善が見られなかったため、当社スタッフで対応策を検討し、自社で排気ファンを現地調達して追加取り付けを行った結果、この問題を解決することができ、無事にオープンを迎えられました。
このように、当社は店舗施工のエキスパートとして海外ならではの難題も乗り越え、お客様のご要望にお応えしてまいります。
現在、アジア6拠点に約50名の現地スタッフが常駐し、出店に最適なテナントをリサーチします。併せて、設計や施工業者選定を行い、現場監督は日本人スタッフが担当します。また、通常、海外の業者では対応できない、厨房設備の設計・施工やメンテナンスを引き受けることも可能です。
2013年の当社初のアジア現地法人である「ラックランドアジア」設立以来、海外での施工事例も着実に増えています。例えば、シンガポール伊勢丹ウィスマ・アトリア店 4階に2016年7月にオープンした「ジャパンフードタウン」の16テナントのうち6店舗の施工を担当しました。また、飲食や小売店舗で培った技術を生かし、カンボジアの病院の厨房の設計・施工の実績もあります。
<天ぷら築地 天香 シンガポール>
企業のディスクロージャー・IR支援のためのトータルソリューションを提供するプロネクサス
今回の発表会のもう一人の主役は、株式会社プロネクサスだ。本企業は、新規上場や上場企業のディスクロージャー・IR書類等の作成支援を主業としている。
株式会社プロネクサス代表取締役社長 上野 剛史氏(以下 上野氏)
「プロネクサスは企業のディスクロージャー関連書類の作成をする企業です。元々は株券専業会社として創業しました。日本の上場企業約3,600社の約60%が顧客で、IPOにおいても55%が顧客になります。
アジア市場については、多くのお客様が期待感をもって進出を見込んでいます。その中でも、親日国である台湾をテストマーケットとして出店するケースが増えつつあります。当社では元々、企業のアジア進出検討から、進出手続きや体制整備、現地でのビジネス展開を支援していました。これらのサービスをアジアにおいてワンストップで提供するため、2014年に「プロネクサス台湾」を設立し、現地法人の設立登記、会計業務の代行、就労ビザの取得支援、レンタルオフィスの提供などを行っています。」
プロネクサスはIR支援など、企業の方針に最前線で携わっているということもあり、業界動向を敏感に観測している。ラックランドと同じく、アジア進出の相談を顧客から受けることが多くなっているという。そうした背景があり、2社が1つの形を作りあげたのだ。
短期間でアジア市場への進出が可能に
ラックランドとプロネクサスの連携による、飲食・小売業界向けアジア進出支援サービス『スグデル』。ラックランドは、店舗のリサーチから設計・施工、メンテナンスなど制作面を担当する一方、プロネクサスは、現地法人の設立登記から従業員のビザ取得支援など法務面を担当する。これらの2つのプロセスは飲食・小売企業の海外進出において必要不可欠だ。
両社の強みと市場ニーズがマッチする本サービス。具体的にはどのようなモノなのだろうか?
望月氏「日系企業が海外進出するためには、上記のプロセスが必要になります。
まず、海外進出のプロセスをご紹介します。海外進出を会社で決定したからといって、当たり前ですが、すぐに現地法人の設立ができるわけではなく、国ごとに必要な書類や手続きに要する時間は異なります。いざ法務面で体制が整ったとしても、出店場所の調査や店舗の施工なども、少人数の体制では開始できません。そのため、短く見積もっても出店まで半年はかかってしまうのが現状です。しかし、実のところ「現地法人設立や現地商標登録」などの法務面と、「マーケットリサーチや店舗デザイン」などの制作面は同時進行が可能なのです。
ラックランドはプロネクサスと業務連携をし、それぞれの強みを生かして、アジア市場への日系企業の進出をワンストップで支援する『スグデル』というサービスを2017年7月27日より開始しました。本サービスは、現地法人設立などの事務面と店舗施工などの実務面を支援し、海外出店にかかる時間を短縮します。具体的には、出店まで半年程度かかっていたものが、3ヵ月未満で完了することも可能です。
加えて、お客様のアジア進出をより綿密にバックアップするため、アジア7拠点目となる「ラックランド台湾」を2017年8月下旬に設立する予定です。」
『スグデル』というネーミングは、「優れたサービスを提供したい」という考えと、「お客様が思いついた時にスグ出ることができる」というダブルミーニングになっている。すでに、老舗菓子店の鼓月が台湾での新店オープンに本サービスを利用することが決まっているという。
日本企業は、日本人が思っている以上にハイクオリティで海外ファンを獲得できる潜在能力を持っている。事実、日本国内で日本人向けに作られた著名な飲食店・小売店が、海外に出ることで、今まで触れることがなかった層にも存在感を見せつけることができている。今まで海外進出に二の足を踏んでいた企業こそ『スグデル』を活用し、海外進出を果たすべきではないだろうか?
ラックランド