大切な1着のためのプレミアムトータル衣類ケアシステム!それが「MonStyle」

パナソニック アプライアンス社

高くてお洒落な服を購入する時、どうしても気になるのが衣類の強さと洗濯タグ。洗濯機で洗っていいか?洗濯機で洗うと型崩れしないか?毎回クリーニングに出さなければいけないのか?長く着たい服だからこそ、気にして見る事が多い。パナソニック アプライアンス社が推進する新規事業創出プロジェクト「Game Changer Catapult(以下GCカタパルト)」に挑戦するのは、お洒落着を購入した時の強い味方だ。プレミアムプレミアムトータル衣類ケアシステム「MonStyle(モンスティール)」。今回はサウス・バイ・サウス・ウエスト(以下SXSW)への渡航直前の、開発チーム 安藤真理子さん、大野はるかさん、大倉さおりさん、秦枝里子さんに話を伺った。
左から大倉さおりさん、秦枝里子さん、安藤真理子さん、大野はるかさん
左から大倉さおりさん、秦枝里子さん、安藤真理子さん、大野はるかさん

コンセプトも洗剤も従来の洗濯機と大きく異なる着眼点から生まれた

従来の家電のイメージとは異なる「MonStyle」。洗濯場や風呂場近くではなく、リビングや寝室などに設置されるイメージとなっている。本製品は、どの様な商品になるのだろうか?
安藤「服を1着だけ中にかけて衣類ケアができるトータル衣類ケアシステムです。本当はお気に入りの服というのは、洗濯やその後のケアが気になり、着るのに躊躇してしまうもの。『MonStyle』は1枚だけのお気に入りの服をプレミアムにケアしてくれます。洗濯機は多くの衣類を一度に洗うのに特化した家電の為、衣類を投入すると、多くの服と一緒にもみくちゃになってしまい、1着だけを大切に取り扱うのが難しいです。でも、『MonStyle』は1着だけ専用です。服をかけ、片側からシャワーがでて、反対側では汚れを吸引することで汚れを落とそうとしています。洗濯後の濡れた衣類はハンガーにかけたまま乾燥します。これを使えば、自動的に匂い・汚れ・シワなどを取り除いてケアすることができます」
大倉「もう一つの特徴として、洗剤メーカーと共同検討をしている『MonStyle』専用の固型洗剤があります。名前は『SAHMPOO(シャンプー)』と『EFFECTOR(エフェクター)』です。『SAHMPOO』は、衣類の素材や汚れに合わせた専用の汚れ落とし。『EFFECTOR』は、香りや付加機能を衣類につけることができます」

大野「洗剤の箱というと若干生活感が出てしまう存在だと思います。でも『MonStyle』専用の洗剤は、箱や洗剤の見た目にもこだわっています。プレミアム感を目指すコンセプトなので、パッケージ自体も宝石箱をイメージして自慢したくなる様なデザインを志向しました。
プレミアムなコーヒーのカプセルのような、集めたり眺めたりできるような洗剤を作れないかというのが発想のきっかけです。形状は、海外からも人気の日本のお香からヒントを得ました。
京都のお香屋さんをみていて、こういう洗剤なら香りもコレクションも楽しんでもらえそう、と確信しました。
実際の使い方の一例としては、朝であれば『EFFECTOR』を使用し衣類に目覚めの香りをつけて1日頑張る為のきっかけにします。夏の日であれば、UVカットなど。冬であれば保湿の『EFFECTOR』を使用し、衣類に保湿効果をつけられます。上質なケアだけでなく、その時々で必要な付加価値を付けてくれます」

サービスへのイメージがしっかりしてくるほど、「MonStyle」の可能性が見いだされてくる

安藤「当初、お子さんが生まれたママなどをターゲットにしていたプレミアムな洗濯機でした。一例として、ママになると白い服やシワになりやすい素材の服というのはあまり着用しなくなります。汚れが気になり傷みやい服を無意識のうちに敬遠してしまうのです」

大野「買ったけれども全然着ないという原因の多くが、他の服と合わせにくいという点よりも洗いにくいという点にあります。値段・シルエット・かわいさ、それらを確認した上で洗濯タグという部分を確認します。洗いにくいということが理由であきらめた服は数知れず」

秦「女性全体に対してオシャレな何かを提供できないか。愉快で楽しめるものはないかというコンセプトにシフトしていきました。最初から一着にこだわっていた訳ではないのですが、需要やヒアリングを行うと、日本のスペースがせまい為、単身の女性にはこの機能が響いた形です」

安藤「最初は自主的なプロジェクトだったので、時間を見つけながらあつまって話し合いをしていました。ゼロから自分達で家電を作りたい!という想いや、開発・デザイン・企画の垣根を超えてアイディアを出しあえる機会だった為、議論が盛んでした。ただ、熱くなりすぎて他の部署から、もう少し静かに会議する様にと指摘されることも……。SXSWへの参加が見えて来てからは、定期的に検討をする時間が増え今では毎日顔を合わせています」

大野「日本以外にも、この問題を抱えてお洒落着を着られないという人は世界中にいると思います。今回展示するアメリカも都市部では、家賃の上昇が激しくなっています。また、女性向けというコンセプトで始めたものの、男性ユーザーにも高い評価をいただいています。オフィスで着用するジャケットや、一張羅の洗いにくいシャツなど男性も服に対するルールが多く存在しています。そうした顕在していない欲求にも『MonStyle』は刺さっているみたいです」

秦「外に出さずにお洒落着を干せるというのは、今の住居環境に適したデザインだと思っています。特に都心部だと排気ガスなどの関係で干せない家というのも多いです。そうした際に、本当に欲しい衣類を買わないという選択になりがちです。また、昨今衣服のレンタルサービスなども活況を呈していまして、そうしたサービスを利用している人にもニーズがあると考えています。というのも、傷みの心配があるため、レンタルした服というのは自宅での洗濯はNGになっている場合が多いです。『MonStyle』は衣服を傷めることなく洗濯できる家電ですから、こういったサービス業者とも連携して洗浄後の再利用OKといった新しい価値づくりにも挑戦していきたいです」

「MonStyle」がきっかけとなり、夫の家事参加やオシャレ着利用回数向上が期待できるかも

大倉「現在『MonStyle』は実際に、水流で汚れを落とすなどの実験を開始しています。衣類毎に洗浄レベルを調整する必要があるため、SXSWなどの反応を見てニーズがどこにあるか、より研ぎ澄ましていきたいです。スチームや『EFFECTOR』機能を搭載した初期モデルについては1~2年ぐらいで開発に目処をつけ、世の中に出したいです」 大野「『EFFECTOR』についても、最初の購入時はアソートパックの様になっていて、好きな香りや機能を選べるようなサービスを展開していけないかと思っています。いままで価格と機能中心に評価していた洗剤を、より楽しく選んでもらえる様な形で提供していきたいです。
例えば女性でいうと、ファンデーションとケースを別々で購入します。自分の好きなコンパクトに、自分の肌に合ったファンデーションを入れる”私専用の”所有感というものについては、財布の紐が緩いのではないでしょうか。『EFFECTOR』も、それと同じくらい自然に買って満足いただけるようなものを提供したいです」

秦「家族がより家事に参加する様なキッカケになってくれると嬉しいです。洗濯は夫婦どちらかにばかり負担が行きがちです。でも、『MonStyle』を使って自主的に家事に参加してくれれば、家事の負担のアンバランスさが解消されるかもしれません」

安藤「海外でもそうですが、女性は香りづけの洗剤自体に非常にこだわりを持っています。最近では、柔軟剤に臭い付きのものが各社販売していますが、香りづけ専用の洗剤も一緒に洗濯機に投入します。それこそ、その香りビンをインスタグラムにアップするなど、オシャレのワンエッセンスとなっているのです。『EFFECTOR』については、おしゃれに関心がある尖ったユーザーにまずは触れてもらいたいと思っています」

男女問わず利用ニーズが高そうな「MonStyle」。1着や1枚だけという特化型のアイディアは、従来の発想の中では生まれにくかったコンセプトだ。当初ニーズからピポットする様や、商品コンセプトのわかりやすさも非常に良かった。多くの人の潜在的利用ニーズに応え、所有したくなる家電でもある。現在の構想案をSXSWで直接ユーザーにぶつけ、是非とも商品化加速に向けたキッカケを掴んでもらいたい。

2017年3月13日

BRAND TIMES
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