――今後、育て上げネットの支援活動をレナウンがサポートして、『着ルダケ』を利用している方が社会支援に参加できるということになりますが、CSRや社会貢献についてのお考えや課題などについてお二人のお考えをお聞きかせください。
越田氏
今までのCSRの中には企業PRに近いものも多かったと思うんです。でも、社会が変化していく中で、そのようなやり方はどんどん成り立たなくなっていくんじゃないでしょうか。そういう意味では今回の取り組みは、『着ルダケ』のサービスが回っていくほど回収したスーツを定期的にお届けができて、しかもそれが事業として企業のマイナスにもならないし、止まることもない。サスティナブルで、永続的なサービスとしてやっていけるんじゃないかなと思っています。
そして、これをきっかけに社会に出られた方が将来何かを買おうと思った時に、「そういえばレナウンってああいうことやってたな」と、いつかぐるっと回ってファンになって頂ければ、新しい顧客を作り出せるのかなと思います。企業が運営する事業が無理なく回ることで自然と支援活動に繋がるサービスが広がれば、今後、社会におけるCSRの形が変わっていくかもしれないという思いもあります。
単純に「何か社会にいいことをしましょう」ではなくて、きっちりとリターンを見越した上でこちらもやっていて、ビジネスとして当社にもメリットがあって、だから続けていけるというような取り組みを今後も進めていけたらなと思っています。
工藤氏
企業と連携活動をやってきた中で、今回ほどきれいなビジネスモデルというか、バリューチェーンはみたことがありません。僕らの課題はスーツがないことと、中古スーツとはいえクリーニングして渡したいということです。ここに「FASHION CHARITY PROJECT」が入ることで、就活用には向かない色柄のスーツを、ECサイトで販売することができます。その売り上げが育て上げネットへの寄付となるので、その中からクリーニング代もまかなうことができます。
今はスーツを着なくてもいいんじゃないかという時代でもありますよね。でも、面接で失礼にならないよう、出来るだけいい状態で臨みたい若者の気持ちも理解できます。また、クリーニングされたスーツで「頑張ってね」って応援されてうまくいった若者が、今度は誰かを、もしくは何かを応援することで社会が回って行くような形にしたいのです。やっていることは若者の支援なんですけど、社会づくりに繋がりゆくものとして期待をしています。
初めて働き始める場合、経済的に余裕ができるまでには時間がかかります。『着ルダケ』というサービスを知って、スーツを買う資金として月々5千円ぐらいでスタートできるサービスがあると知ることで、他のことにお金を回せるようになります。新しい経済の動きがこういうところからつくられたりすると、広がりがあるかなと思います。
■着ルダケの詳細はコチラ
https://kirudake.e-shop.renown.com/