人気急上昇サッポロラガービールは「昭和レトロな店に合う瓶ビール」

サッポロビール

1877年に「札幌ビール」として誕生したサッポロラガービール。ラベルに輝く赤い星は、北海道開拓使のシンボルである北極星。その特徴から「赤星(あかぼし)」という愛称で親しまれている。そんな日本で最も歴史のあるサッポロラガービールが、近年非常に注目されている。その理由は「ビール好きに愛されるビール」だという点だ。5年間で販売量も1.5倍となり、本ビールを置いてあるお店を紹介する「赤星★探偵団」や東京湾を就航する屋形船「赤星丸」運行などファンを満足させるブランディング施策を多く打ち出している。今回は「赤星丸」に参加しつつ、サッポロビール株式会社のブランド戦略部武田悟季さんに「赤星」のブランドストーリーを伺った。

日本で最も歴史あるビールが東京湾に就航開始

サッポロラガービールは、飲食店での業務用販売を軸とした瓶ビールブランドである。今回、限定販売商品として「サッポロラガービール缶」350mlと500mlを発売する。その缶製品発売に合わせて、東京(品川区)から屋形船「赤星丸」が6月15日(木)~6月25日(日)までの11日間、就航される事となった。

今回、BRAND TIMES編集部も屋形船「赤星丸」に乗船させて頂く事になり赤星の魅力に舌鼓を打つ事となりました。

品川から出発した「赤星丸」は、桟橋を抜けてお台場レインボーブリッジ付近に停泊。豪華な料理と共に、サッポロラガービールが大瓶で振舞われた。一般参加者同士は面識がなかったものの同じ「赤星」愛好家同士ということで、大瓶でお互いにお酌をしながらうちとけあっていた。

乗船中には、「赤星★探偵団」の団員によるトークショーやサッポロラガービールにまつわるマニアックなクイズなど多くのイベントが展開。参加者も赤星好きということもありトークショーやクイズなど大いに盛り上がっていた。

停泊中は、屋上での赤星ロゴと一緒に撮影会なども催され、ビール瓶片手に撮影するなど赤星づくしな一晩となっていた。

愛飲家に愛されて育ったサッポロラガービール

――今回、屋形船「赤星丸」に乗船させて頂きありがとうございました。個人の感想となりますが、サッポロラガービールのファンは熱量がスゴイですね。クイズも皆さん正解されていましたし、地方からいらっしゃった方もいらっしゃいました。赤星を愛してやまないという人は多いですね。

武田さん「おかげさまで、サッポロラガービールには多くのファンがいらっしゃいます。サッポロビールの主力ビールブランドといえばやはり「黒ラベル」と「ヱビスビール」が印象的だと思いますが、その影でじわじわとサッポロラガービールのファンが増えていきました。」

――サッポロラガービールの歴史は長いのですか?

武田さん「はい。今から140年前の1877年に誕生したビールがサッポロラガービールの前身「札幌ビール」になります。この札幌ビール販売の1年前に、北海道にて開拓使麦酒醸造所として開業しました。その為、サッポロラガービールは現在販売されている日本のビールブランドの中では一番歴史のあるビールになっています。」
――そこまで歴史があるビールなんですね。主にどの様な場所で飲まれているのですか?

武田さん「サッポロラガービールは通常瓶で販売しているので、飲食店などの業務用を中心として販売されているビールになります。」

――味はどの様なビールですか?

武田さん「お客様からは厚みのあるビールと言われています。市場において主力となっているのは他社も含めて生ビールが多いです。通常、ろ過を使って酵母を取り除いており、この製法を生ビールといいます。サッポロラガービールは、熱処理という昔ながらの酵母に対して熱を加える方法で活動を止めます。その為、生ビールとも異なる味わいが特徴的と言われています。」

都内のレトロブームの波に乗る赤星

――サッポロラガービールは、じわじわと飲めるお店が増えてきたと、屋形船の中で愛好家の人達が語っていらっしゃいました。実際の所はどうなのでしょうか?

武田さん「愛好家の方がおっしゃる通り、サッポロラガービールはここ数年で人気が急増しています。5年前の出荷量と比べても1.5倍になっているぐらいです。震災などで一時的に生産がストップした時期もありましたが、その時期を除くとほぼ毎年右肩上がりで販売本数が上がっている状況です。」

――じわじわと人気が広がってきた理由はどこにあるのでしょうか?

武田さん「東京を中心に都市部において昭和レトロな雰囲気の酒場が増えてきています。やきとん系と呼ばれる大衆酒場やモツ屋、ちょっと昔な感じの飲み屋さんです。そうしたお店において、空間や味にこだわりのある店主から「サッポロラガービール」を指名で注文頂くことが多いですね。」

――確かに都心だとレトロ系居酒屋増えてきています

武田さん「お客様も飲むのであればその雰囲気に浸りたいという事や、瓶ビールという事もありサッポロラガービールを好んで飲まれています。お店の方に伺うと、オーダーされる時も「赤星」という通称で頼まれる人も多いそうです。瓶ビールならではのコミュニケーションが生まれるのが昭和な雰囲気にマッチしているのではないでしょうか。」

――瓶ビールならではというと「お酌」や「手酌」ですね

武田さん「大ジョッキでビールを大いに飲むというのも勿論ビールの楽しみ方です。ですが瓶はやはりお互いにお酌をしたり、一人で手酌でというスタイルがマッチしますよね。ちょっとずつ料理をつまみながらビールと会話を楽しむ。そういったスタイルが瓶ならではの良さとしてコダワリをもって選んでもらっている要因だと思います。」

――年齢や性別で言うと、どの様な方が好んで飲まれていますか?

武田さん「以前から大衆酒場をこよなく愛している50代以上の大人の方に加えて、酒場の楽しみにはまってくる30代の方にも好まれて飲まれていますね。大衆酒場自体が、ここ最近では女性も多く来店しています。その為、女性のファンも数多くいらっしゃいます。」

――今回の屋形船イベントでも年代問わず女性の方多かったですね

武田さん「そうですね。ビールを初めて飲んだという方よりかは、飲み進めたうえでこだわって赤星を選んでいただいている方や、やはりビールといえばコレというので選んでいただいている方など世代を超えて愛されているビールではあります。」

ブランドを伝える為に行う2つの施策「赤星★探偵団」と屋形船「赤星丸」

――こうしたサッポロラガービールを、愛されるブランドにする為に行ってきた施策などありますか

武田さん「実は、昨年7月より講談社と開始した「赤星★探偵団」というブランドサイトを開始するまでは、広告宣伝などには力を入れていませんでした。ブランド自体は、140年の歴史がありますが「黒ラベル」と「ヱビスビール」の方に重点を置いていた面が大きかったです。ですが、現在のブランドのトレンドを見極めながら、力を入れ始めているという状況です。」

――そもそも「赤星★探偵団」は何故始められたのですか

武田さん「サッポロラガービールの魅力を色々な人に知ってもらいたいという点や、飲めるお店をご紹介したいという点からです。特に後者の飲めるお店を紹介したいという点では、愛好家の方々が自主的に飲めるお店の情報交換をされる事が多いという話が背景としてありました。それこそ、店舗まとめがNAVERまとめや酒場を愛する方のブログなどでまとめられているという状況です。そうした中で、長く続く名店や穴場のお店をご紹介したい、酒場やサッポロラガービールの魅力にもっと触れてもらうきっかけを作りたいと思い開始したのがきっかけです。」

――今回の屋形船もファン向けのイベントといった立ち位置ですね

武田さん「はい。屋形船に乗っていただき、サッポロラガービールを楽しんでいただく事を目的としています。有料イベントでありながら販売開始から3週間でほぼ全予約が売り切れるなど非常に人気の屋形船イベントとなっています。同じ赤星愛好家同士がその場に集い飲みながら親睦を深めていただくイベントとなっています。イベントは6月25日(日)まで就航予定です。」
――今後実施予定の施策などありますか?

武田さん「主に飲食店向けということで、まだまだ認知が広がっていないビールであったりします。その為、家飲みの方などに向けて数量限定として6月20日(火)より「サッポロラガービール350ml・500ml」を販売予定です。」

――お店で飲んでから、家でも同じ味がいいという意味で缶を選ぶことは多いですが、缶ビールを飲んで外で瓶を楽しんでもらうというPRは非常に特殊ですね

武田さん「サッポロラガービールは、やはり瓶ビールならではの良さや飲食店でしか飲めないという点からファンが好んでいます。缶は限定商品となっていますので、家で飲んで楽しんでいただいた後に、「赤星★探偵団」をみたり、看板などをチェックして店舗などで楽しんで頂けますと幸いです。」

――最後に、赤星ファンにメッセージをお願いします

武田さん「是非これからも、サッポロラガービールを酒場で飲み続けてもらいたいです。コダワリのあるお店で赤星を知ってもらう、知ってもらう事自体が非常に良い事だと考えています。なかなか置かれていない、でもおいてあるからこそ思わず注文してしまう。認知を広げつつも、その美味しさや瓶ならではの良さというのを継続してアピールしていきたいと考えています。」

――本日はありがとうございました

日本で最も歴史のあるサッポロラガービール。赤星という愛称で呼ばれ、「ビール好きにこそ愛されるビール」というのが武田さんとのインタビューや屋形船「赤星丸」の会話の中でヒシヒシと伝わってきた。屋形船では船から降りた後に、プレゼントも用意されており、6月20日から販売予定のサッポロラガービール缶や赤星グラスなどもプレゼントされ参加者から歓声があがっていた。

店舗に入り迷う事なく「赤星!」と指名される程の愛されるブランド。その背景には、こだわりの歴史やファンとなる為のち密な動線づくりがあると言えるだろう。店舗でしか飲めない「サッポロラガービール」の良さを愉しみつつ、これからも「ビール好きにこそ愛されるビール」というブランディングを続けていってもらいたい。

2017年6月19日

サッポロビール

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