「SoVeC(ソベック)」が始動、自動動画生成クラウドサービス「SoVeC Smart Video」を提供開始
今年3月にソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(以下ソニーネットワークコミュニケーションズ)と株式会社ベクトルが、合弁会社として設立したSoVeC(ソベック)株式会社(以下SoVeC)。「テクノロジーの力で、コミュニケーションを進化させる」というミッションを掲げ、MarTech分野でのディスラプターを目指すSoVeCが、動画というクリエイティブの民主化を進める新たなサービスとして、AIを活用した自動動画生成クラウドサービス「SoVeC Smart Video」(ソベック・スマート・ビデオ)の提供を開始しました。 SoVeCの主な事業内容と新サービスの特長、今後についてなど、社長の上川 衛(かみかわ まもる)さん に説明いただきました。
新会社SoVeCについて
まずは、新会社SoVeC(ソベック)の概要を紹介します。
SoVeCは、2019年3月に始動した、ソニーネットワークコミュニケーションズと総合PR会社ベクトルのジョイントベンチャーです。
設立してまだ間もない小さな会社であり、メンバーはソニーグループとベクトルグループの先鋭メンバー10数名で構成されています。
会社のミッションは、「テクノロジーの力で、コミュニケーションを進化させる」としました。
日本のPR業界でNo.1のポジションであるベクトルは、インターネットの時代に求められる卓越したメディアコミュニケーションサービスを最先端の戦略・手法を取り入れて積極的に展開しています。その知見にソニーグループの技術を掛け合わせ、次世代のデジタルマーケティングソリューションを提供していきます。
SoVeCのミッション
ソニーからは、新しいビジネスの立ち上げのためのメンバーをさまざまな部署から集め、ベクトルからも、テクノロジーで企業コミュニケーションを変革したいという志を持ったメンバーが参加し、異業種のカルチャーが交じり合った非常に面白いチームが出来上がりました。
品川シーサイドのソニーネットワークコミュニケーションズオフィスと赤坂のベクトルのオフィスを行き来しつつ、毎週行われる会議では、お互いの業界での常識をそれぞれが知らないことが多く、常に新しい発見がある刺激的な日々を過ごしています。良い化学反応が生まれる予感があります。
我々SoVeCが考える事業オポチュニティは、主にMarTech(MarketingとTechnologyを掛け合わせた造語)といわれる領域です。インターネットとスマートフォンの普及により、企業とコンシューマーのコミュニケ―ションが、マス広告から、自社メディアやSNSを活用した、双方向のコミュニケーションに徐々に替わりつつあります。
消費者も、企業発信の広告より、インフルエンサーや第三者の発する情報に一層信頼をおくようになりました。この事業領域では、常に新しいコミュニケーションのあり方が発明・応用されており、我々SoVeCもその分野を技術でリードできる存在になりたいと考えています。
SoVeCの事業環境(企業コミュニケーションの変化)
第一弾サービス「SoVeC Smart Video」をスタート
11月7日、SoVeCの第一弾サービスとして「SoVeC Smart Video」を提供開始しました。
「SoVeC Smart Video」は、ブラウザだけで誰でも簡単にプロのデザイナー級の動画を作ることができる新しいクラウドサービスです。難しい知識は不要で、最先端デザインクオリティの動画フォーマットが数百種類も用意され、定額・低価格で何本でも制作可能です。
SNSやオウンドメディアなど、企業・社会・個人のコミュニケーションが、テキストや写真中心の静的なものから、ものすごい勢いでリッチ化・動画化の方向に進んでいる現在、このサービスによって、動画というクリエイティブの民主化を進めたいと考えています。
動画制作はこれまで、代理店や制作会社などプロが扱う領域でしたが、最新の技術によって、企業のマーケティングやPR担当者など、知識がない人でも高品位な動画が作成でき、インハウスでの制作が可能となりました。
「SoVeC Smart Video」は、ウェブやサイネージ向けの動画広告、企業や自治体のオウンドメディアやSNSでの動画活用、製品やサービス紹介のマニュアル動画、ウェブニュースメディア、社内コミュニケーション、PR等々、さまざまな分野での動画化を促進できるツールだと考えています。
開発に当たっては、ソニーグループ内の技術・デザイン・知見をふんだんに盛り込み、また、社外のクリエイターや厳選された制作会社などのサポートも受け、サービスを開始しています。今後も新しい機能を盛り込みながら進化していく予定です。ご期待ください。
「SoVeC Smart Video」の特長
AIの活用や、使いやすさを追求したツールなど、最先端の技術で動画制作をサポート。用途に合わせた動画フォーマットを数百種類から選ぶことができ、カスタマイズも可能です。
●最新デザインの“誰でも簡単に”使いやすさを追求したツール
直感的な操作で、専用のデザイナーがサポートしているような理想の動画制作が可能になりました。
●スピーディな動画制作を可能に
クラウドの活用により、数分でスピーディに動画が制作でき、また、定額サービスなので、いくらでもリッチな動画表現が量産できます。
●最新デザインの動画フォーマットはカスタマイズも可能
ソニーグループの技術を活用して、丁寧に作り込まれた動画フォーマットは、多様な用途に対応できる数百種類を用意。また、顧客の希望に応じてカスタマイズもできるので、オリジナルの表現も可能です。
導入事例
「SoVeC Smart Video」は、動画広告用の動画制作をはじめ、サービス紹介動画の制作や静止画コンテンツを動画化した配信など、様々なビジネスシーンでの活用が始まっており、いくつかの活用例を紹介します。
●NYSNO-100
ソニーが提供するNYSNO-100は、スマートフォン不要で耳に装着するだけで会話ができるコミュニケーションギア。この広告出稿に「SoVeC Smart Video」を活用することで、広告用の動画を簡単に制作できるようになりました。
●ライブドアニュース
月間約7億PVをもつライブドアニュースでは、ニュースや特集記事として、商品・サービスの紹介・インタビューなど充実したコンテンツ情報を発信。SoVeC動画作成ツールを活用することにより、日々配信されるWebニュースなどの画像やテキストをもとに、コンテンツを動画化し、“動画記事”としてタイムリーな配信が可能に。編集部の負担なく、簡単にニュース記事を動画化することにより、幅広いコンテンツの配信を実現しました。
●アントワープブライダル
アントワープブライダルは、「伝統文化の継承と革新の融合」をコンセプトとして、ブライダル事業、和装スタイリング事業、スクール事業を展開。日本の伝統文化である和装に現代美のエッセンスをあしらいながら、「品格」・「上質」・「本物感」にこだわり、雅な美しさを織り成すという企業理念を、SoVeCの動画作成ツールを活用して動画化。作成した動画は自社のWebサイトおよびSNSでの情報発信だけでなく動画広告としても活用。
今後について
3月の会社設立から、事業の方向性やミッションの策定に始まり、サービス企画開発と運営の体制作り、サービス提供の準備、B2B営業の着手まで、チーム一丸となって走ってきました。今回、お客さまに使っていただけるサービスの提供を開始することができ、また新たなスタートラインに立った思いです。
ジョイントベンチャーの利点は、双方の強みを持ち寄って発揮できる点であり、MarTechの領域において、ソニーとベクトルの混成チームで次々と新しいビジネスを創出していきたいと考えています。
私自身、これまでソニーにおいてグループ横断の事業開発や社外協業・オープンイノベーションを担当していたため、先端の技術や新しいアイデアなど、ビジネスのシーズを事業として立ち上げて行くことは、変わらないテーマでもあります。
SoVeCにおける、新しいビジネスの創出にご期待ください。
SoVeC経営会議メンバー
ソニーネットワークコミュニケーションズとベクトルの異業種のカルチャーが交じり合った非常に面白いチーム