――ウフルとして、スポーツ領域に取り組む意義をどのように考えていますか。
有川:スポーツビジネスはグローバルに存在していて、国内で成功事例を作ればそれを海外にも展開することができる。それが1つ大きなポイントだと考えています。日本ではスタジアム・アリーナの新設計画が2025年までに約60か所あると言われています。さらに既存の施設も数万存在しています。このように日本だけでも多くの導入先が考えられますが、さらに海外を視野に入れると市場はもっと大きく広がります。さらに言えば、スタジアム・アリーナでのITやIoTの活用は、人が集まるところでのソリューションを考えることにほかならないため、空港や駅にも展開できると考えています。
――あくまで当初のターゲットがスポーツというだけで、そこで培われた技術や開発したソリューションはほかの領域でも応用できるというわけですね。
有川:僕はそう考えています。ただ、そのためにはしっかり実績を積み上げていく必要がありますが、スポーツビジネスの領域でウフルの知名度はまだまだ高くありません。そこで何らかの事実がほしいと考え、「THE STADIUM HUB」(
https://stadium-hub.com/)というWebメディアを立ち上げました。国内外のスタジアムやアリーナの最新情報を提供するこのメディアを通して、ウフルの存在を知ってもらいたいと考えています。さらに、このWebメディアからスタジアム・アリーナでのIoTを活用した実証実験につなげるためのメニューを組み立てているところです。
中根:「THE STADIUM HUB」はスタジアム・アリーナに特化した記事を提供していて、テーマも「環境対策」や「建設・改修計画」、「資金調達」など、かなりニッチになっています。スポーツビジネスに携わっている人々には、有益なWebメディアになるのではないかと考えています。
有川:国内のニュースだけでなく、グローバルでの取り組みも積極的に発信していきます。そのためにイギリスのスタジアム専門誌やスポーツビジネスを手がけている企業と連携し、そこで発信されたニュースをいち早く翻訳して掲載しています。このように、単に国内のニュースを集めるのではなく、海外の情報を積極的に発信しているのが「THE STADIUM HUB」の大きな特長です。このWebメディアで、「ウフルは面白いことをやっているな」と思ってもらえたらいいですね。
中根:ウフルの役割は「つなぎ」の部分を作ることだと思っています。我々のプロダクトである「enebular(エネブラー)」(
https://enebular.com/)のように、リアルの世界でもつなぐ役割を果たしていきたい。スタジアム・アリーナがあり、そこに対して処理技術やセンサー開発など技術をもった企業をつないでいく。そういったようなハブになり、スポーツビジネスの世界におけるさまざまな課題の解決をお手伝いしたいですね。